特別支援学校は、視覚障害者、 聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)に部門が分かれています。様々な教育課程があり、どの教育課程にも「自立活動」という時間が設けられています。「自立活動」とは、
「個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う(学習指導要領より)」
内容は、健康の保持、心理的な安定、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションとなっています。
この「自立活動の時間」が普通校にないユニークなひと時となります。
本来、障害による困難を克服して自立的な生活を目指すというのが目的ですが、院内学級の場合、病気による困難を克服するのは医療。もっぱらその目的は入院生活を送る上での課題解決ということになり、内容は各学級の裁量に任されています。
東大病院では、週に一回の自立活動の時間が基本的に全学年合同で行われていました。企画運営する学年が輪番となっていて、担当になった学年がリーダーとなって仕切ります。教科授業は前籍校の教科書を使って学習するために個別的になりがちです。そのため集団の活動を確保し、社会性やコミュニケーション力を身につけるためばかりでなく、学年を超えた関わりが持てる画期的な授業でした。季節に合わせたイベント的なものが多く、リーダー学年は、放課後も病棟でミーティングする場面が見られ、頼もしく感じ、微笑ましかったものです。
東大病院に4年いたのち、世田谷区にある国立成育医療研究センターの院内学級に異動しました。
こちらの自立活動の時間は、東大病院のそれとは全く違う観点で行われていました。入院生活におけるストレスに課題を置き、心の安定をその目的とし、一人一人が興味のあることで気分転換する時間となっていました。子どもたちが一番生き生きするお気に入りの時間です。
ゲームが好きな生徒は盤ゲームやUNOなどのカードゲーム。時には集まって映画鑑賞をすることもありました。
そして、やはり女子たちは手芸やクラフトが何より好きで、おしゃべりも一緒に盛り上がるとびきりの時間となっていました。作ったり描いたり、バレンタインの頃にはチョコレートを作ったり・・そんなクリエイティブな活動は、心からの笑顔が全員に見られ、そんな子どもたちの中にいることが最高に楽しかったものです。授業時間では足りず、病室で引き続き盛り上がる、という流れはしょっちゅうでした。
この時の感覚がSHJの原点とも言えます。
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