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・・・
長期の入院を宣告されたら、大好きだったお稽古をいったん辞めることになります。
ある中学生男子。
フルートが得意で入院の時はもちろん携えて。枕元に大切に飾るだけで安静が必要な他の患者さんのことを考えると、眺めたり時には磨いてみたりするだけ。音を出すことはほとんどなくなりました。
入院してから数ヶ月して、スマイリングなんちゃら〜という団体のアーティストが定期的にミニコンサートやアートワークショップをするらしいと知りました。
しかし中学生のテレが邪魔をして、なかなかプレイルームには行けずにさらに数ヶ月が過ぎ・・・。
とある水曜日の午後。
あ、今日はスマイリングなんちゃら〜の日か。ポスターを何気なく見る。
お!
バイオリンとピアノのデュオか!
ふらりと、プレイルームを通り過ぎてみる。やっぱり気になり、引き返す。
並べられた子ども用椅子にとりあえずおしりを半分載せる。すぐ退散するつもりだし。
ところが!
そこで繰り広げられていたのは素晴らしいストリングス。よく知っている曲、あの頃の練習曲。
あんなに躊躇してたのに、
・・フルートをするんだ・・
つい口から出てしまった、そんなばつの悪そうな表情が、なぜかくすぐったく感じました。
え?
もしかして持ってきてるの?
とアーティスト。
うん。
じゃ、持ってきてよ。何か一緒に演奏しない?
無言で取りに行く。
やりたかったんだろうな。と一瞬で分かりました。
さすが、練習を重ねてきたのでしょう。ほんのすこしの打ち合わせで演奏が始まりました。
アイコンタクトでカッコよく!
フルート、ピアノ、バイオリンのセッションは”Amazing Grace”.
傍らではお母様が涙を流しながら息子の演奏風景を見ていました。
それだけではない。
ふと振り向くと、ナースステーションは総立ちのスタンディングオベーション。
静かな少年によってふと巻き起こった嵐のような感動。
少年の勇気にありがとう。心からそう言いたい。
あの後、病棟でリクエストされ、ソロで、SHJのアーティストとセッションで、演奏していることでしょう。
Smiling Hospital Japan Official Website