ー学びサポート通信ー
在宅学習支援「学びサポート」では、
算数
数量概念
文字学習
美術
音楽
を行なっています。
思うように身体が動かせない重度心身障害の子どもとの学習ですから、
🌀視線入力
🌀スイッチ操作
🌀目と手の協応
という方法で、一対一のちょうどいいペースでコミュニケションを取りながら行います。
時にはお母様にも入っていただいて、本人にとってより適切な方法を見つけていきます。
視線入力とは・・・
今から6~7年前までは大変高価で家庭で使用するには現実的でなかった視線入力装置。
今では重度障害児者の日常のコミュニケーションに活用され、
視線入力をうまく使うとシューティングゲームができたり、
マウスとして使えたり、操作しながらアプリを使って学習もできる優れものです。
この視線入力装置トビーは、SHJ在宅の学習にもはや欠かせなくなっています。
音楽の時間は視線でコードを選んで支援ボランティアの演奏とセッション。
そして子どもたちの大好きなシューティングゲーム「風船割り」は定番。
ランダムに風船が出てくる設定にし、覚醒を促し、
その後一つ一つ風船が出てくる設定でじっくり行うことも可能。
普段からできるように、ご自宅のパソコンのソフトをアップデートすることも学習支援に欠かせないことです。
スイッチ操作とは・・・
主に、ピエゾスイッチというものを使っています。
「ひずみ」や「ゆがみ」を感知し、出力を促すものです。
まぶたや頬などわずかでも動かすことができる身体の部位に貼ります。
意思を伝えたい方のコミュニケーションにとても有効です。
お母様がご本人のまぶたの上に貼り、感度を調整すれば、瞬きをする動きで操作できます。
この作業自体が親子のコミュニケーションに一役買います。
思うように身体を動かせない方にとって、スイッチをいろいろな場面で活用すれば、「伝わらない」というもどかしさやストレスが大幅に軽減でき、世界も広がるでしょう。
目と手の協応とは・・・
モンテッソーリ教育(→2017/7/7投稿「モンテッソーリ教育とは」)の考え方に基づいた、
数の概念や文字の音と形を手の感覚を使って体感しながら学習するものです。
数の棒や、ずっしりと重みのある素材で作ったパズルをはめ込んでいくことで、数の概念を身につけます。
立体コピーでの文字なぞりは、実際に凹凸やザラザラ感を実感しながら形を学びます。学習が進むと声も出てきて手の動きが良くなることも。
美術は、素材を感じながら自分のペースで行う物作り。
素材とアーティストのファシリテーションが、目と手の協応を促し、創造活動が進みます。
これら目と手の協応教材は学習支援ボランティアの手作り。その子にあった大きさ、見え方に合わせた色にも工夫しています。
障害とひとことで言っても100人百様。
教材作成はどれも時間をかけた地道な作業。
一人一人違うことへの対応をどう広めていくか。
目下の大きな課題です。
Smiling Hospital Japan Official Website