小室哲也さんの報道は、介護する人の孤独さ痛切に感じさせるものだった。
奥さんの介護があるのになんてことを・・。
という社会の第一反応の後には、赤裸々に語る小室さん自身の病や音楽活動への陰りなどの苦労の上に介護の厳しさが加わることの過酷さ、孤独さに同情する声がわき上がった。
ただ芸能人として記者会見で質問に答えることに終始し、いったんはマスコミの餌食になったとしても、芸能界を去ることになったとしても、苦労を無駄にしない道がある。
自分のプライベートをさらけ出さなくてはならない立場を利用して、同じ境遇の人の代弁者となり、社会に問題提起してこそ、著名人としての使命が果たせると思うがどうだろうか。
今はそこまでの余裕がない状態かもしれない。しかし社会に衝撃を与え、たくさんの励ましや同情を受けている今こそ、人知れず苦労している多くの人のメッセンジャーとなれる。本来の職を去ることを決意したその先には、社会的なインパクト、そして辞めないで、というファンの声に新たな方法で応えることができよう。
介護生活を送る中、肉体的、精神的、経済的ストレス、そして孤独な状態へと追いやられてしまう自身の実体験をもとに、介護する人の立場に立って孤立させないような仕組み作りをしていくことの重要性を社会に訴えていくという選択もあることに気づいて欲しい。