患者になってわかったこと
患者として長期間ベッド上で過ごした頃の無力感、やるせなさが
今の活動に導いてくれた
奇跡の生還をどう生かすか
無意識のうちに夢が膨らんでいったのかもしれない。
それならここでもっと勉強しなさい、
子どもたちから教えてもらいなさい、
と連れて行かれたのが病院内の学校だったと。
そんな風に前回綴りました。
私の場合
多発性の外傷ですから
生死の間をさまよったとはいえ
一旦回復が見えればあとは傷が癒えるのを待ちながら
これからに希望を持つことができる
後遺症があったって、
あの頃の長く続いた苦痛に比べれば・・・。
しかし、院内学級、病院で関わってきた子ども
これからも関わっていくだろう子どもには
小児がんの子どもがたくさんいます。
一進一退を繰り返し、
薬の副作用に耐え、
辛い化学療法や移植を重ね、
子どもたちは本当によく頑張ります。
一旦回復が見えても
再発や後遺症への不安に
子どもも家族も押しつぶされそうです。
そんな姿から知ること、
教えてもらことのために
教員として身を置いた現場は私の学びの場だったのです。
そして家族を含む当事者として
こんな時、一緒に闘病生活を送った仲間というのは
生涯にわたる宝物でしょう。
情報の共有や気持ちをぶつけ合う
今まさに自分の心を占め苦しませるものを
話せるのは同じ経験をした人だということも
身にしみて感じました。
経験者が立ち上げたというサイトが新聞で紹介されていました(東京新聞12/19朝刊)。
「手をつなごう。」
サイトを開けると
~小児がんに罹患した経験のある方とそのご家族が経験談を共有・交流する場所~
と紹介されています。
きっかけは、サイトの管理人が闘病ブログに
困ったことや悩みを綴ると
同じ経験をした母親からのアドバイスの書き込みがあり
その助言は無力さを和らげてくれたこと。
一言で小児がんと言っても種類はたくさんあって
同じ病名でも症状は様々です。
それでも誰かの役に立つ情報や助言はあるはずだと。
そんな経験やおすすめの対処法を共有する
ブログを通じて知り合った小児がん経験者の父母3人で運営しているといいます。
治療中の悩みを始め、
治療後の生活、
復学について、
本人、周囲への説明
など項目別の掲示板が作られています。
子どもたち一人一人が頑張った証が
誰かの力になればいい。
自分たちもたくさんの方に助けてもらったことに感謝しながら
ともに頑張ろう・・そういう場でありたい。
というサイト設立者の言葉からは
溢れるような愛を感じます。
今では何についてもネットで検索すれば山ほどの情報が得られます。
情報が多すぎて、その波に溺れてしまいそうです。
そんな思いをしながら一番必要な情報は何かに気づく。
それは当事者の経験談。
「はいどうぞ」、という一方的な情報ではなく
温かくそっと寄り添ってくれるなまの声。
「手をつなごう。」https://c-cancer.com/thought