「対局に入れば集中でき、程よい緊張感だった」という大物ぶり。
「積極的にという方針が功を奏した」と振り返る余裕。
朝日杯優勝を飾った後のインタビューで、プロになり成長した部分は?と聞かれると、
「最近はどの対局も平常心で臨めている」と。
しかしゴールではない、引き締めなければ。と締めくくる。
藤井棋士のこの集中力はどこから来るのでしょうか。
幼少期に受けたモンテッソーリ教育で、好きなことをとことんやり続け、自分らしさを培ってきたからというのが私の分析。
モンテの集中現象とは・・
手を使いながら知性を働かせ夢中になれることに出会うと、子供は繰り返し繰り返し同じことをやり始めます。これが集中現象と呼ばれているものです。
繰り返すリズムに合わせるようにして子供は深く精神を集中させていきます。これは感受性が特別に敏感になる敏感期と呼ばれています。
活動をいつまで続けるかが自由に任せられているところでは、非常に深い集中に入ります。
特に3歳の頃は周りから孤立したような姿で何かを一生懸命やっていることがよくあります。
藤井六段は5歳で将棋を始めたというから、敏感期にたっぷりとことん集中して自分らしさに浸っていたのだろうなあ、と想像します。
モンテッソーリ女史はこの子どもの集中力を確かめるため、集中現象真っ只中の一人の子どもの周りで、敢えて他の子ども達と大騒ぎしたり座っている椅子を持ち上げてみたりしたそうです。その結果、その子は全く動じずに自分で選んだ作業に没頭していた、という話はモンテッソーリの本に度々出てくるエピソードです。
「最後まで落ち着き払っていた。決勝では拍手と歓声で会場が騒然とする中、優勝を決めた15歳は対局が続いているかのように、ひたすら盤上を見つめ続けていた・・」
という新聞記事のくだりは、このエピソードそのもののような気がします。