・・・8/3投稿の続きとして・・
フィンランドの教育制度や福祉制度についてブログに何度か書いています。
退院して院内学級から元の学校に復学した後の事情についても調べてみました。
明らかに日本と異なる点をいくつか見つけました。
🌀病弱の子どもや特別な支援を必要とする子どもへの対応:
1 病弱児を特別な存在としてみることなく、特別支援の必要な子どもとして他の多くの困難を抱えるこどもと同様の枠組みで支援している。
2 多くの大人たちが一人の子どものために支援をするフィンランドの学校では特別な支援を必要とする子どもが学級内にいた場合、その子どもには専属の支援をする大人が終日付き沿う。病弱児も同様の権利があり、例えば、白血病の治療を終えた子どもには、普通学級における様々な人的支援、物的支援、さらには専門家の連携がある。
日本では・・・
病弱教育に限らず「一人だけ特別扱いできない」という呪縛が学校にあるような気がします。
そのため、学校では退院し通学をはじめた子どもに対する特別な支援が徹底していないようです。
🌀支援する者同士の連携体制:
1 フィンランドでは特別な支援を必要とする子どものために週に1回会議が開かれる。参加者は、個々のニーズに応じた専門家であり、病弱児の場合には担任、管理職、学校保健師、臨床心理士、主治医、保護者、その他必要とする専門家など。
日本では・・・
普通学級における病弱児支援のための連携状況は、多くが校内の「校長」「担任」「養護教諭」間であり、 連携というよりは「連絡・報告」で、同じテーブルで首を集めて話し合う定期的な会議が行われているかどうかははっきりと確認できません。
日本の学校現場の職員向けアンケート結果に、気になる回答が見つかりました。
「忙しくて病弱児は後回し」
「教員間の連携でさえ、実はうまくいっていない」
「子どもの主治医や医療機関との連携は敷居が高くて連携できな い」
「病弱児はおとなしいし、支援の必要性を特段感じない」
保健師や 病院看護師からのアンケート結果には、
「学校側からのアプローチがあればいくらでも援助・協力を行う」
というのがあり、 学校との連携に対して積極的な必要性を感じていないようです。
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つまり日本では、
・病弱児には特別の支援が必要であることを教員や医療・福祉関係者が理解していない
・たとえ特別な支援が必要であっても、必要な関係機関や専門職と適切な連携が行われていない
・重要な連携が行われていないことに教員や 医療・福祉関係者が気づいていない
というのが現状のようです。
医療の進歩による重度障害を持つ子どもの増加に、トータルな生活支援がついていけていない現実は度々書いていますが、治療を終えた子どものその後のケアにも全く同じことが言えそうです。
関係機関の手厚いフォローと連携が大きな課題だと、痛感します。
続く・・