改正教職員給与特別措置法(給特法)が12/4に成立した。
これは
公立学校にの教員の勤務時間を年単位で調整するもの。
繁忙期に長く働き、その分夏休み中にまとめて休みをとる
変形労働時間制度だ。
夏休みは暇なんでしょ
休みがたくさん取れていいね~
教員時代によく言われたものだ。
しかし、
普段授業があるとできないこと
例えば
講習会や研修での自己研鑽
研究会
各種書類作り
秋の行事準備
などを
今だ!
とばかりに取り掛かるむしろ多忙な時期だ。
子供たちとの時間をできる限り多く確保し充実させるために
可能な事務仕事は子どものいない間にやっておこう・・・
そんな思いで
教員たちは夏休みであっても普段と変わらず
学校に向かう。
そんな実情を把握せず
さらに年間を通した教員の勤務時間も調査しない文科省が
この制度を導入する理由は
数字だけを追ったもの。
残業時間を減らす・・・
ただの数字あわせ。
長時間勤務にむけて残業代を払うことになった時の
予算を計上したくないのが国の思惑だからだ。
新聞の見出しには
~見せかけの残業時間減へ見切り発車~
「現場無視」教員怒り
とある。
ただでさえ過労や病休増加による人員不足が問題視されているところ
さらなる長時間労働につながることが懸念される。
事務仕事が増え子どもと向き合う時間が足りず
特に全教科を教える小学校の教員などは授業準備さえままならず
いじめ問題にも対応できないという。
学校の役割は子どもたちに行き届いた教育をする場所ではないのか。
なぜ実態に寄り添わずに逆効果のことをあえて実行するのか
理解に苦しむ。
さらにこの制度は人間の生理的バイオリズムにも悪影響をうみ
健康をさらに害するだろうと
容易に察することができる。
まずやるべきは
教員の定数改善による人手不足の解消や
業務削減を進めることを
真っ先にやるべきことではないか。
このことは
にも綴っている。
現状の教員の勤務環境の劣化に加え
今回の国の現場無視の方針。
それらによりますます現場が疲弊するだろうと
教員たちは当然怒りと不安を抱く。
さらに
この実態に敏感に反応するのは
教員志望者だ。
教員志望者の推移を調べてみた。
まず全体的に志願者数減少傾向にある。
今年度の東京都の例では
小学校の競争倍率が2.7倍となり、
前年度(3.6倍)より0.9ポイント下がった。
中学・高校に至っては前年度の9.7倍から
半分近い5.0倍にまで低下するなど
大幅な低下となった。
大阪府でも、
中学校で5.9倍(前年度7.7倍)
高校で11.7倍と(前年度13.1倍)
その他の自治体も、中学校と高校を中心に、志望者減が目立つ。
→11/14教育新聞より
この数字の背景には
教員の過重労働をめぐる報道により
「学校=ブラック」というイメージが広がり、
教職課程の履修を取りやめる大学生が多いという実態がある。
当然だ。
教育者として生きていくのだという希望を持って
勉学する大学生の使命感や社会貢献への夢を
打ち砕く破壊的行為だ。
このままでは教育現場が
教員たちが
子どもたちが
よりよく生きるための土壌を失う。
学校はどこへ向かうのか。
全ての自治体がこの制度を導入しないことを願うばかりだ。
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