子どもが大切にされる平和な社会へ

~モンテッソーリの子どもたちと1~

モンテッソーリ富坂子どもの家を訪問しました。 

子どもたちは自分でやりたい!気持ちを最大限尊重してくれる雰囲気の中で、生き生きと活動していました。

人間がひとまわりずつ成熟していくのは「活動の周期」を完了しながらである

モンテッソーリによる子どもの観察を通した発見です。

「活動の周期」とは・・

  1. 自由に活動を選ぶ
  2. 継続して主体的に関わる
  3. 没頭し集中する
  4. 自分からやめる やめた後に良い変化が現れる

まず子どもが自由に活動を選ぶためには、環境を整える必要があります。

子どもの背丈に合わせた戸のない棚に、教具をそれぞれお盆に乗せて並べます。そうすることによって自分の目で確かめ、自然に手を伸ばして選び、お盆ごと自分の好きな場所に持って行き、活動を開始できます。活動するテーブルと椅子ももちろん、子どもの背丈に合わせます。

富坂子どもの家は障がいのある子どもたちが通っていますので、環境には特に気を配っているようでした。例えば、体幹の弱い子どものために既製の椅子にすっぽりお尻が収まるような工夫がしてあり、子どもはグラグラせず安心して好きなことに集中できます。

また子どもの家では、自分で選んだ活動を、何度も何度も繰り返し、満足いくまで没頭できる自由な時間が確保されています。子どもたちが主体的に動き、自立し、互いを尊重しているかのようです。同じ教具を使いたい子がいて取り合ったりしても、先生の声かけで「待つ」ことがきちんとできます。

他の子が満足そうに活動するのを見て、それを大切にしてあげる風景には、気品さえ感じられました。

ある男の子は登園するなり、3色のキューブパズルをウキウキと始めました。

蓋を開けて一つ一つ色のついた四角の上に同じ色の積み木を乗せ、終わると蓋をして終わったーと嬉しそう。

そしてまた蓋を開けて同じことを・・。満足そうなニコニコ顔で棚にしまいに行きました。

モンテッソーリ法は教具の使い方をまず動きだけで提示します。

子どもたちは教師の美しく丁寧な動作をじっと見て、やり方をのみ込みます。

数字の練習をしたい子は教師の砂文字のなぞり方を真剣に見てから、僕がやる!とばかりになぞり、鉛筆で書くことを繰り返していました。

自ら選んだ活動に没頭し、満足した時の顔は自信に満ちているようでした。

モンテッソーリの教具には完成が必ずあって、その道筋を提示されると見通しを持って活動ができます。そのため、安心感と満足感があり、もう一度やってみよう、という気持ちになります。

何度も何度もやって満ち足りた気分になると、心なしか背筋までピン!

もとどおりの場所にきちんと戻します。他の子がすぐに使えるようにという他者への思いやりが育ちます。

続く・・。