子どもが大切にされる平和な社会へ

~モンテッソーリの子どもたちと2~

人間がひとまわりずつ成熟していくのは「活動の周期」を完了しながらである

モンテッソーリが子どもの様子を観察しながら発見した、成熟のための「活動の周期」をもう一度。

  1. 自由に活動を選ぶ
  2. 継続して主体的に関わった
  3. 没頭し集中する
  4. 自分からやめる やめた後に良い変化が現れる

自分で選んだ活動に集中し、納得するまで継続することは、満ち足りた自信につながります。

そして満足したら言われなくても自分から活動を終了します。

大人はといえば、「そろそろやめなさい」「早くやってしまいなさい」「いつまでも同じことやらないで、これやってみたら」などと言って中断させ、子どもが納得しているのかどうか確かめもしないで大人のペースを押し付けてしまうもの。ここでは無神経に中断されることはありません。充足感を味わった時の子どもの顔は自尊心に満ちています。

この経験を繰り返し持つことができたら安定感や忍耐、思いやりなどが身につくことは容易に想像できます。集中して取り組み満足することを知っている子どもは「困難を乗り越える(集中)力」「解決する力」を獲得するといいます。

やめなさいと言われて仕方なくやめるのと、満足して終了することの違いをここではっきりと見ることができます。

不思議です。

ガチャガチャ落ち着きない中でも、先生が凜とした姿勢と無言の動作でゆっくり丁寧に教具の遊び方を提示すると、子どもたちもピッとスイッチが入ったように真剣な顔つきに。子どもの家でも、数字の練習教具の砂文字を先生がなぞり始めたら子どもの動きも止まりました。指の動きを見る表情は真剣そのもの。

一斉活動のために集合させる時は、わいわい騒いでいても、先生が静かな声で呼びかけ、みんながその様子に気づくまで待つ。騒いでいると聞こえないよ。と実感させるためです。ここにも気づきと主体性を引き出す寄り添いがあります。子どもたちはそれぞれのペースを自然体で受け入れ、全員が揃うまで自分の椅子で待っていました。

一斉活動では色水実験をしました。赤、黄、青の色水のうち好きな色を組み合わせると別の色ができる。先生の提示を身を乗り出して見た後、やる!やる!と全員。順番にみんなの前で実験し「自分の色」を紹介します。なんと誇らしげな顔。

モンテッソーリの教育法は、子どもを愛を持って観察するところから始まります。

その目的は自信に裏付けられた穏やかな平和な心を作ることだと確信します。

来年3月24日に開催予定の全国研修会で、富坂子どもの家の小山久実先生に講演していただきます。