子ども食堂支援のために品川区が「子供食堂MAP」を作成、配布を始めたという新聞記事(11/21東京新聞朝刊)を読みました。
子どもの7人に1人が貧困、栄養源はもっぱら学校給食に頼る家庭も多いという。
そんな現状をなんとかしようと、全国で「子ども食堂」が展開されています。
飲食店主、NPO法人、宗教団体などがボランティアで運営、食材もフードバンクなどNPOによる支援やその他寄付でほとんどが賄われているといいます。
市民の力でこの動きが全国展開していることはとても素晴らしく、子どもは未来を創っていく宝、地域で支えなくては、という意識が形になっています。
しかし、市民活動としてこれほど盛り上がる背景は何でしょうか。
本来、国民を飢えさせない、というのは国の仕事のはず。
これほど子どもの貧困が広がっていて、それに対して民間が問題解決に奔走している。子ども食堂が草の根の対症療法とするなら、国は貧困問題に対して体質改善をすべき立場です。
国がやらないなら自分たちで、と国民がそこまで政治に期待しなくなった表れかもしれません。
そんな中、東京都品川区は食堂の広報や啓発活動の部分を引き受けている、ということでしょう。
ここで、国は子どもの貧困にどう向き合っているのかを知りたくて、
平成26年8月29日に閣議決定された
「子供の貧困対策に関する大綱」
を読んでみました。
~ 全ての子供たちが夢と希望を持って 成長していける社会の実現を目指して ~
とのスローガンのもと、
子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、 また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要である。 そうした子供の貧困対策の意義を踏まえ、全ての子供たちが夢と希望を持 って成長していける社会の実現を目指し・・・。
理念と9つの方針が明文化されていますが、具体策や国としての姿勢、予算については、偏りや曖昧さがあるようです。
教育面の予算はある程度ついた?生活そのものを支える制度やサービスに対する予算は?
ここでも文科省と厚労省の間にある垣根のようなものが存在しているばかりでなく、そのために支援に取り組んでいる個人、団体がなかなか協働しにくく、一枚岩ではいかない現状も垣間見られます。
子供の貧困対策に関する基本的な方針の中に、
・貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成
・教育費負担の軽減
・生活の支援
・保護者の就労支援
・官公民の連携
・
・
などがありますが、今回の品川区のケースは、官公民の連携(国、地方公共団体、民間の企業・ 団体等が連携・協働して取り組むとともに、積極的な広報・啓発活動等によ って国民の幅広い理解と協力を得ることにより、国民運動として展開してい く必要がある)
を受けたものでしょう。
理念は大事、しかし貧困対策には制度面での見直しなど時間がかかる・・!!??。
それならズバリ!
目の前の子どもたちのために、国が食材の調達を!
障がいを持つ家庭の現状についての投稿(10/18)に続き、
市民の善意に甘えていないか・・再び!
「子供の貧困対策に関する大綱」(平成26年8月29日閣議決定)内閣府ホームページより