原因は何なのだろう
バス内に置き去りにされた園児が死亡するという事件が相次いだ。
一部の専門家の間では保育士の危機意識に問題がある、
という意見があるが、そうだろうか。
兼ねてから主に
病棟保育士の増加を!
と綴っているが
その理由は
配置数の少なさにより
保育士一人ひとりの業務負担が重くなり
病児一人ひとりに丁寧に関わることが難しく
一人勤務のため課題があっても共有する環境が整っていない
ゆえに改善されない・・・
といったことだった。
そして今回は保育園での事故。
ここでも保育士が多忙すぎて
次の業務に気を取られたり
園児全員降りたかすら確認できないほどの
人手不足が大きな原因なのではないだろうか。
国としての対策は?
政府が緊急対策として掲げた再発防止策は
①所在確認、安全装置の義務付
②安全装置の仕様、ガイドライン作成
③安全管理マニュアル作成
④総合経済対策に盛り込み財政措置
この再発防止策の中で話題になっているのが
①来年4月から全国の保育所や幼稚園、
認定こども園、特別支援学校などなどの送迎バス、
およそ4万4000台に
安全装置の設置を義務づける
というもの。
違反した施設は業務停止命令の対象になったり
命令に従わない場合は罰則を科すこともあると。
この対策案が実施されるようになれば
国は安全装置の設置1台につき20万円を上限に補助するという。
さっそく数社が装置を開発!
どんな企業がこの製品を扱うのだろう、とネットサーフしていると
電子機器製品を扱う会社や
自動車電装品を扱う会社が見つかった。
子どもの安全のために開発、試作品を実証実験し今後販売するというのだから
今ここの課題に迅速に対応し社会に大きく貢献する
フットワークの軽い企業・・・。
独自の対策も
対策として地域によっても様々試みがあるらしい。
神奈川県厚木市では
AIを搭載したカメラが、
車内で園児を認識するとアラートのメールを送る
という実験が行われた。
なんだか冷たい印象。
一方園児が助けを求める訓練も富山市のある幼稚園で行われた。
クラクションを叩く力が弱い場合は
両手で体重をかけるというような訓練らしい。
子ども自身が大人の非から自分自身を守る訓練を
園が実施するというのも
なんだか釈然としないし情けなくも感じるのは私だけか。
なんかずれてない?
機械を使ってみたり子どもに危機管理をさせたり
センサー設置の話が出てからというもの
私の頭の中は混乱しまくりだ。
子どもの乗り降りの際に
スタッフが一人バスの後方と
もう一人ドアの外とで見守れば
全ては解決すると思うのだ。
各地での試みにしても
国の対策にしても
オーバーリアクション。
事故を起こした園を槍玉にあげ、
お前たちはどうなんだ⁈
とばかりに全ての施設に装置の義務づけ。
命令⁈に従わないと⁈⁈罰則???
意地悪な言いがかりかもしれないが、
企業にとっては大きなビジネスチャンス
国にとっては現場より企業を大事にする思惑
が丸見えなのだが、
誰も言わないのでこの場でこっそり。
大きな声で意見しちゃう。
大事なのは人のあったかさ
ヒューマンエラーを無くそうという動きより
機械に頼るところ、
まず、人間的でないし、愛がない。
人と人との触れ合いや協力することの大切さを学ぶ
大切な時期の子どもたちの安全対策に
“機械”はないだろう。
人、ひとり、その場にいればいいんじゃないの???
としか思えない。
全国に存在する大多数の施設は
対策を徹底しているはずだ。
2件の事故を教訓に
気持ちを引き締めよう、というのならわかる。
当該施設を徹底調査するのも必要だ。
しかし、今回の政府案により、
人を配置してチェック体制を徹底している施設が
センサー設置に補助が出るなら人件費を抑えよう
という方向に向かわないといい。
何より、保育士さんの声かけにより
バスを降りて1日をスタートするのと
機械に監視されながらその日を始めるのとでは
子どもにとって前者の方がいいに決まっている。
お金の使い方も愛あればこそ
政府はお金の使い方をもう少し愛を持って考えられないだろうか。
企業に儲けさせるのではなく、
保育士を含めた園のスタッフの待遇改善にこそ
予算を当てるべきではないかと。
保育士は専門性が高く、なくてはならない存在。
にもかかわらず、
社会的な地位がまだまだ低く
待遇が十分でないことも手伝い
途中で退職してしまうことも多いと聞く。
何度も言うが
保育士の数を増やして
余裕を持って子どもの安全と成長を見守る体制と環境を作っていくことこそ、
真にこの置き去り事件を解決する方法だと思う。
装置への補助ではなく
人件費を補助する方向へ
軌道修正するべきだと思うがどうだろう。
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