共働き世帯の増加で幼稚園のニーズが減っている反面、保育園が足りない!
そんな非合理的状況を解決するのが「認定こども園」
しかし、2006年の法制化から当初の目標数には程遠いその普及率。
そもそも「認定こども園」とは、
「保護者が働いている・いないにかかわらず利用可能。
集団活動・異年齢交流に大切な子ども集団を保ち、すこやかな育ちを支援。
待機児童を解消するため、既存の幼稚園などを活用。
充実した地域子育て支援事業で、子育て家庭を支援」
と内閣府のホームページにあります。
「幼稚園と保育園が一緒になった施設で就学前の教育と保育の両方の機能を兼ね備えている施設」
とまとめられると思います。
メリットとして、
◉幼稚園に通わせている保護者にとっては、幼児教育はそのままに、保育時間が長くなる
◉保育園に通わせている保護者にとっては、保育時間は変わらず仕事もできるし幼児教育もある
これならもっともっとニーズが高まり、増えていいはずです。
しかし施設側にとっては、
■「幼稚園教諭」と「保育士」の業務の違い
■保育料の計上や予算が、幼稚園部分と保育園部分で違う
というデメリットがあるといいます。
こども園への移行が進まないのは、幼稚園側と保育園側の管轄が分かれているまま、この制度ができたことに問題がありそうです。
一方ニュージーランドではすでに1980年代に幼児教育施設と保育施設を所管する省庁を一元化した、と日本総研の池本美香研究員が新聞に寄稿していたのを見て調べてみました。
1986年に、幼稚園・プレイセンターに加え、保育所・家庭的保育サービスも教育省の管轄下に置かれることになり、予算や保育者の資格、カリキュラム、設置基準などが一元化されました。20年かけて多様な施設や運営主体がその特徴や機能を保てる制度が整ったことがわかりました。
参考:奈良教育大学紀要 第59巻 第1号 ニュージーランドにおける乳幼児保育制度
ニュージーランドの保育制度のユニークさは、1926年に世界初の児童手当制度が始まったというところからもうかがえます。
日本でも2011年の鳩山政権下で「幼保の一体化」が検討されたことがあったそうですから、再び議論のテーブルに載せて欲しいものです。
2つのシステムを1つにまとめるとなると現場の調整も多く、一筋縄ではいかないかもしれません。ニュージーランドの例を参考に、国が現場の声を聞く姿勢こそが一番求められています。
待機児童解消のためにも、幼保一元化、いかがですか?