「義務教育」ってなんだろう?
「子どもは学校へ行く義務がある」という風に捉えられちゃってない?
そのせいか、学校と子どもとの関係が上下に分断されているように思えてなりません。
学校を運営する立場と授業を受ける生徒というように。
垣根を取り払って互いに学び合える場になれば、
そしてみんなが学校を作っていく、という意識に変われば、
生きた教育の場になるのではないかな。
ここで「義務教育」の意味をおさらいしてみます。
憲法26条第2項に、
「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育はこれを無償とする」
とあります。
「子どもが教育を受ける義務」ではなくて「大人が子どもに受けさせる義務」です。
これは子どもにとってはあくまでも「教育を受ける権利」なはず。
ところがいざ不登校になった子は、するべきことを怠っている、とばかりに問題行動として咎められる傾向が未だにあります。
これは子どもは学校に行く義務があるという観念に基づいた現象です。
無理やり行かせたら子どもの心は置いてけぼりです。
子どもにとって権利としてあったものがいつの間にか責務のようになっている。
学校は画一的で同調することが多少なりとも求められる集団活動の場になっていないかな、と子どもが中学校に通っていた時に感じたものです。
そうだとしたら、行けない子にとっては苦役になってしまうでしょう。
子どもたちはHappy かな・・。
すぐ近くにある母校の前を通るたび、鉄格子越しに校舎をふと見上げます。
そんな中、
みんなが作るみんなの学校を見つけました!
その名も、
日本にも手作りのすごい公立学校がある、と聞いたのを思い出してホームページ検索してみました。
みんなが安心して学んでいる奇跡の学校としてドキュメンターリーで紹介され、さらに2015年に劇場版『みんなの学校』として全国の映画館で公開となりました。
発達障がいの子も、知的障がいの子も、みんな同じ教室で学ぶ学校。
なぜ今まで知らずにいたのだろう。元学校職員として迂闊であった!
この学校は地域の児童数増加のために2006年に開校されました。
全員が守らなくてはいけない約束事はただ一つ。
「自分がされていやなことは人にしない いわない」
さらに学校の理念は、
「すべての子どもの学習権を保障する」
子どもの権利を前面に出しています。
地域にも開かれていていつも学校の職員以外が関わっているといいます。
大人にとっても安心できて、大人が学ばせてもらえる、子どもたちと共に成長させてもらえる、と。
もはや学校に行く行かないの議論を超えています。
多様性が入り混じる学校は、どこにも分断はなくて互いを尊重しながら
みんなで作り、作り続けていく、
そんな温かみのある「みんなの居場所」なのでしょう。
映画になった頃は話題になったはずなのに、同じような学校が増えていかないのが残念で仕方ない。
一度訪れてみたい「みんなが作るみんなの学校」です。