見た目で判断されにくい困難を持つ人にとって、理解されず理不尽な思いをすることが多いとよく聞きます。
内部障害のあるSHJスタッフの体験談をひとつ。
高校生のときのこと。エレベーター使用許可が出ていたにもかかわらず、教頭先生に、
「お前、足悪くないのに エレベーター使うな!!どこが悪いか言ってみろ!」と、大勢の生徒の前で怒鳴られた、という。
また、電車の優先席に座ると、お年寄りから、
「若いのによくそんなところに座るな」
と言われたある女性の話も聞いた。
そもそも、誰だって体調の悪いときはあるだろう。若くたって歩き疲れることもある。
仮に一目散に空席に飛んでいく若者がいたとしても、何か事情があるに違いない。もしパッと見て何の問題もなく、座ってスマホをいじりだしたなら、何て周りを見ない自己中心的な人だろう、と呆れるまでだ。でもその人に抱える困難がないとも言い切れる?
何でも見た目で判断する人間の悪い癖。
そこで考案されたのがヘルプマーク。
義足などを使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人がいます。
周囲に配慮を必要としていることを知らせて援助を得やすくなるように作成したマークです。
裏にはメッセージが書けるようになっていて、どのようなことに困っているのか、またはどんな援助が必要か書けるようになっています。
東京都が2012年に導入し、好評が好評を呼び、今では全国に普及しています。
いっぽう、ともにShare with FIAT コラボレーション団体の一つ、NPO ピープルデザイン研究所 は、コミュニケーションチャームと言って、お手伝いする人もされる人もハッピーになる意思表明ツールを作って店舗で、通信で販売しています。
言葉が通じなくても指差しで、対話できる様、困った時に良く使うという6つをアイコン化し、デザインしたコミュニケーションカードです。
こんな取り組み、想像力と思いやりでどんどんひろがるといいなあ。
そして誰もが謙虚な気持ちで他を排除することのない、寛容な社会になったらどんなに素敵でしょう。