いのちの大切さを伝えたい
長女を小児がんで失った男性が
職を辞め、現在に至るまで16年の間、
”いのちの授業”を続けているという記事が
先日東京新聞に載っていた。
小中学校や企業でいのちの大切さを伝える講演をしているという。
・・救うことができなかった・・
という自責の念を振り払うがごとく仕事に打ち込むなかで
何もしないでいいのか
と自問するうち娘の死を生かす活動をすることを決めたという。
決め手は書店で出会った本。
「子どもの供養とは、親が生まれ変わること。
子どもの分も生きて」
という一節に胸を打たれのだと。
喪失感から前進へ
グリーフケアという取り組みがある。
「grief(グリーフ)」とは、
死別などによる深い悲しみや悲痛を意味する言葉で、
その悲しみを「care(世話)」することが
グリーフケア。
この男性は
いのちの授業を通して
目の前の子どもたちにいのちの大切さを伝えるだけではなく、
とりも直さず
自分自身をグリーフケアしている、そんな風に感じる。
喪失感を払拭できるわけではない。
しかし大切なまな娘は今もここにいて
自分と一緒に活動している
という感覚が前を向く原動力なのかもしれない。
時々、これでいい?
と娘に聞きながら信じた道を歩んでいると想像する。
他者の悲しみへ共感、そしてさらに前へ
この男性は言う。
死を考えている人が
「生きよう!」
と一人でも思ってくれたら、と。
始めた当初は
「生きたくても生きられない人がいるのに、
なぜ一生懸命生きないんだ」
と自分の思いを押し付けていたそう。
しかし
貧困やいじめや虐待や・・
様々な背景から
不自由で辛い生を送らざるをえない人もいることに気づく。
我が子を失ったという喪失感から出発した活動が
また別の苦しみを抱える人への共感を生み出した。
そのプロセスの中で
悲しみが減ることはなくても
だんだんと客観的に自分を見られるようになり
悲しみと折り合いをつけながら
他人の痛みに共感し寄り添える自分に気づいた時、
娘の分も生きているという実感が持てたのかもしれない。
そして喪失感と内なる娘の存在感を行ったり来たりしながら
この男性はいのちの授業を
自身の命が終わるまで続けるのだろうと思う。
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