都会の小さなマンションに住んでいると、自然、特に川辺に繁茂する緑の中を歩きたくなります。
ああ、私たちは大地の子どもだなあ、大地と繋がっているなあ、と感じます。土は、木や緑は、水は私たちの先生。幼いころはそれらが都会の空き地で私たちを包んでくれました。
私が生まれる前は、農家は自ら種をとり、何世代もかけて改良し、その土地に適した種を作っていました。ところが、経済成長期になると農業にも経済至上主義が持ち込まれ、大量生産型の単一栽培が拡大し、それに向く生産性の高い種子が求められるようになり、種子づくりは農家の手から種苗会社の手に移りました。
種子の特許をとることで利益を独占するビジネスへと発展しそして遺伝子組換え技術へ。
特許権をかざして自家採種を禁じているから、農家はせっかくの土からの恩恵を無駄にせざるをえず、企業から種子を毎年買い続けることになります。
そんな経済価値を中心とする生き方から、母なる大地とのつながりを大事にする生き方へ回帰できたらと思います。
少し前に公開された映画「奇跡のリンゴ」を思い出します。青森のりんご農家で、無農薬栽培を目指した木村さんが血の滲むような試行錯誤を繰り返してたどり着いたのは大地、土のちから。
ヒントは足元にあった!
大地に根を張り養分をもらって実る。そして収穫。作る者が自ら種を取り、次の収穫を目指す。
土と種のちからを敬い、自然に感謝する。
そこには無駄な競争や醜い争いはない。
そんな生き方にシフト出来たらな。
もはや後戻りはできないのかな。
あったかい人間らしい生活へ。
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事務所のマダカスカルジャスミン。
肉厚の葉が重たくて枝が倒れそうになるのを必死にこらえるかのように、つるが自ら反対方向に伸びて壁に飾ったヤモリにつかまっているのを発見。
自然の持つ知恵やたくましさを改めて感じた小さな感動です。
自然は人間が思うよりうんと賢い。
自然の秩序に敬意を。
人間はそのほんの一部なのだから。