つれづれにっき〜スマイリングな日々〜

〜「世界侵略のススメ」1〜

マイケル・ムーア監督による「世界侵略のススメ」を観ました。

ユーモアとウイットに富んだ切り口と構成は愉快爽快。

そして、この作品に登場した人たちはみな哲学を持って生きている!ということに深く感動しました。

その訳を数回にわたって書いてみようと思います。

同監督のドキュメンタリー「ボウリング・フォー・コロンバイン」(1999年)はコロラド州のコロンバイン高校での生徒による銃乱射事件を題材に作られ、米アカデミー賞最優秀賞を受賞しました。ライフル協会会長にこの事件についてインタビューするムーア氏は、毎度のボケで彼を油断させます。誘導尋問でいつの間にか会長を追い詰めていくというシーンでは、見る側に勝利の感覚をプレゼントしてくれました。

今回の作品の「侵略」という言葉にドキッとしますがそれも氏の戦略。観る者にショックと興味を持たせるキャッチーなタイトルです。

ここでも、やっぱりボケつつ感心しながら相手の話をおうむ返ししていく見事な娯楽性が基本の流れ。いつの間にか、テーマの本質や意義、それがいかに人間の尊厳として大切なのかを浮かびあがらせる、直球では尽くせない説得力があります。ただし今回は追いつめるのではなく、相手の自尊心をくすぐる手法。自慢させたり自分たちの持つ「いいもの」に誇り新たにさせながら、知りたいことを引き出していく・・というスタンス。

ムーア氏の手法だけではもちろんなく、この映画を見て一番感動したのは出演する人間全員がそれぞれ確固たる哲学を持ち、それに拠る生き方をしているということ。そして出演する誰もが生き生きと人生を謳歌している・・大人も子どもも・・というところ。

ムーア氏は、幸せな社会に生きる人たちから「国民が幸せになる方法」を学びそのシステムを本国アメリカへ持ち帰るという目的のもと、欧州、中東、アイスランドに行きます。

イタリアの労働環境、フランスの性教育や食育、チュニジアの女性の社会進出などなど。ポルトガルの死刑制度廃止の根底にある、あらゆる立場の人が持つ哲学には心から感動しました。

なんて成熟した国々なんだろうと。

アメリカの国旗を相手国に立て、素晴らしい生き方を戦利品として持ち帰ります。敵地?を去る時のお茶目顔。ボケて始まりいたずらっぽく侵略は成功します。

はじめに訪れたのはイタリア。

幸せいっぱいの日常を過ごす労働者階級の夫婦がまず登場。とにかくお洒落な二人です。

ストーリーの始まりはバカンス自慢。

陽気なイタリアン。

元気の源を見せつけられた感です。

人生はたった一度、目一杯楽しまないと。

二人が抱き合って伝えた最後のメッセージで今日のところは締めくくります!。