「世界侵略のススメ」
「侵略=国民が幸せになるため、必要なものをゲットしてアメリカに帰る」ムーア氏の侵略先2つ目はフランス。
美食の国のグルメ番組さながらに場面が移ったのは一流レストランの厨房・・と思いきや・・
それは学校のカフェテリアの調理室。
フレンチジャズをバックに色とりどりの食材が映し出される映像からは、美味しそうなフレンチメニューの香りが今にも漂いそう。
給食当番制や、アメリカのスクールカフェテリアのように自分で好きなものを取るのとは違い、シェフが一人ずつに配ります。
アピタイザーから始まったその日のメニューはメインディシュのラム肉のソテーはじめ、チーズとデザートを含め8種類のフルコース。
さすがグルメの国、
フランス食育の文化はさすがです。
職員室で週に一度給食について会議をするほど食の大切さを重んじています。日本でも「食育」が叫ばれて久しいですが、ここフランスでは食事マナーもその中に当たり前に取り入れています。
ムーア氏は給食の時間にコーラを持ち込みます。
コーラ飲む?
「飲まない」と全員。
飲んだことないの?
「な~い」
じゃ試してみて。美味しいよ。
「・・・・」
全員が困った顔。
空気を読んだ女の子、しぶしぶ飲んでみる。
「お い し い・・・」
と明らかに仕方なさそうな返事。
その代わりにフランスの小学校で飲むものは
水 水 水。
もちろんハンバーガーのメニューは皆無。
一番感動したのは、プラステックの皿ではなく陶磁器で料理が配膳されること。
フランス料理をアルマイトやポリプロピレン(古い!?)のさらに盛り付けるという発想はもともとないのだろう。
え?プラスティックじゃないの?
とまたムーア氏。これじゃ割れちゃうよ、とばかりにテーブルにガチャガチャさせてみせる。
「割れますよ。陶磁器です」
今度はガラスのコップをガチャガチャ。
「ガラスです。気をつけて!」
とシェフに怒られる。
子どもたちはやれやれといった面々。
食器やコップは割れるものとして大切に扱うのが当たり前。安全(アルマイトは別の意味で危ないけど)第一で子どもの感性を鈍らせてしまう文化とは違う。ここに、モンテッソーリの考え方「本物を使う」が根付いていること、我が意を得たり!
そして高校生への徹底した性教育。
性の違いや行為についてのうんちくより前に「愛すること」について考えさせながら具体的な教育に入っていくのがフランス流。相手を大切にすることから始まります。
さすが愛と情熱の国です。
人を好きになることは自然な感情。
愛する人には相手の求めるものを与え、してほしいことを伝えるのよ。
と、教員は文字通り愛を持って子どもたちに性について教えています。
ティーンエイジャーの妊娠率は教育の効果により、アメリカの1/2という数字も。
北風と太陽の理論。
イタリアに加え、成熟した社会のあり方に深く感動しました。