子どもが大切にされる平和な社会へ

~尊厳を守るのが社会の柱~

シリーズ「世界侵略のススメ」感想文最終回。

私が感動した成熟社会のシステムはまだまだあります。

🌀フィンランドの教育。

かなり前にブログに書いたこのテーマ。

「フィンランドの教育」→http://ellie.smilinghpj.org/?p=2045

学力統一テストなどというものはない。

競争から生まれるものはすさんだ感情だけ。

授業が少なく宿題もないのに、学力は世界一。マルチリンガルの人も多い。

工作したり、自由研究をしたりしている子どもたちの様子は実に楽しそう。

大学のテストでは選択問題がなく記述が多いところが嬉しい、と学生。

選択の方が楽では?と思いがちだが、学生曰く、

「正確に知らないと」

・・もうこれだけで、あっぱれです。

教師、生徒が互いを尊重し合い、主体的でいることが何より心地よく、誰もがとても自立している、そんな印象です。

🌀ポルトガルの麻薬対策。

ドラッグの非犯罪化と無料の治療をセットに!

麻薬の非犯罪化のアイデアは「寄り添い」。人権を重んじる考え方が根付いていてこその実践です。

見事に麻薬対策が成功しています。逮捕された人は何年もの間0!

ポルトガルの警官は語ります。

「尊厳を守るのが社会の柱」

🌀ノルウェーでは刑務所システム。

刑務所=社会復帰のための場所

自由を制限することのみで、過酷な罰は与えない。

ネオナチの人種差別主義者による大量殺人事件で息子を失った父親はこう言います。

「復讐は望まない

犯人と同じレベルに下りるつもりはない

犯人を殺す権利などない

収監しても物事はよくならない

憎しみを増すだけ」

これは国民全体の考え方だといいます。

この事件の犯人、少なくとも10年、

最大21年の実刑判決を受けています。

これはノルウェー最長刑だそう。

🌀ドイツにおける民族としての歴史認識

社会の不正を告発する義務を持つドイツ人。

各企業に監査役員を設置する義務があるそう。しかもその役員の半分以上が実際にそこで働いている従業員でなければいけない。

「そうしなければ社会が壊れる」・・誰もが持つ共通認識。

ドイツの学校では、ナチの過去を次世代に伝えることが歴史教育の最重要課題のひとつと考えられています。特に中学生の時に集中的に学習を受けます。ナチがユダヤ人に対して行った残酷な実験のビデオ、強制収容所跡地や歴史博物館の見学が学習プログラムに取り入れられているそうです。

不正を嫌う正義感あふれるドイツ人だからこそ、省みること、事実を認め反省すること、そこからの出発を重んじるんですね。

残念ながら、どこかの国とは随分違います・・。

ドイツ民族の哲学・・謙虚さ、潔さ、正義感。

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それぞれの国の「いいところ」をたくさん紹介してくれた「世界侵略のススメ」。

もちろん一筋縄ではいかず、必ずしも一般化はできないテーマばかりですが、少なくとも「成熟した高級品」を見せられた気分です。

正直羨ましい。

だけど、こんな社会にすることができるんだ!

と希望を持つこともできました。