「ゆいまーる」という言葉について書いたことがあります。
この言葉は「めんそうれ(ようこそ)」と同じくらい有名な沖縄のことば「しまとぅば(島ことば)」です。
ゆいまーるとは「結」が回る、文字通り「みんなで助け合う」ことなのですが、助けてくれた人に恩返しをする、というような意味合いではなく、自分が受けた恩をまた別の困っている人に回していく、という考え方です。
親切にしてくれた人に、気兼ねなく別の人にその感謝を渡してく・・人を大切にする沖縄らしい習慣です。
既存のコミュニティの中で助け合うだけではなく、支援を必要とする人を見つけたら、迷うことなく惜しみなく寄り添います。
「模合(もあい)」という習慣があります。
これは一種の相互扶助システム。
毎月、決まった金額を集めて、それを順番に毎月メンバーの誰かがもらうという仕組みの飲み会。ゲスト参加も一般的だとか。
今回の旅で「いちゃりばちょーでー」という言葉を知りました。
「いちゃりばちょーでー」とは?
「一度会ったら皆兄弟」
いちゃりば→行き会えば
ちょーでー→兄弟・姉妹
初めて会った人にも優しく温かく接する沖縄の愛情がたっぷりと感じられます。
息子の住む久米島に行くたび楽しみなのが、
うちなーんちゅ(沖縄の人)のキラキラの瞳と屈託のない笑顔。
他人行儀など一切ない親しみ込もったあったかさ。
真っ青な空とマリンブルーの見事なグラデーション、そして真っ白な砂浜は沖縄の最高の魅力ですが、久米島の人々のまなざしは、透き通った海面にキラキラと反射する強い太陽の光のよう。心を洗ってくれるようです。
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さて、滞在先のホテルのロビーで。
観光客の家族の風景が見るとはなしに目に入ってきました。
イライラとしたお母さん、
「早くしなさい」
「ぐずぐずしていると置いていくわよ!」
と小学低学年ほどの女の子に怒鳴っています。
・・あ~あ、せっかく楽しむために来たのにね~~。
方や、滞在中に訪れた夏祭り会場。
どの家族もブルーシートを敷いて屋台で買った飲み物や地元の料理を楽しんでいます。一番印象的なのが、たくさんの笑顔。子どもにイライラするお母さんなんていない。どの家族も本当に楽しそうに笑っています。
家族同士も溶け合って、知らないうちによその子どもが隣で焼きそばに手を伸ばして食べている。
知っている子を見かけると、
「~ちゃん、おいで~」
人懐っこくちょこんと座って好きなものを呼ばれている。
どうやら島の全員が知り合い? 親戚? のようです。
子そだてに最高の場所だなあと感心。
家族でいることが嬉しくて楽しくて幸せ。
人と助け合うことが当たり前。
そんな生活単位と、
「いちゃりばちょーでー」や
「ゆいまーる」
の習慣の中で、懐深いうちなーんちゅの愛情豊かさが育まれるんだなぁ。
家族で、教育現場で、沖縄の本来的な生き方考え方を見習えば、支援が必要なところにもっともっと手が、心が届くのになあと感じます。