医療の場におけるアートの可能性を探求する!
「夢中になれる小児病棟」出版記念として
「なぜアートが医療の現場に必要なのか『いのちの全体性』について考える」
というテーマで英治出版主催の鼎談イベントがありました。
鼎談のメンバーは
軽井沢病院副院長の稲葉俊郎さん、
日大板橋病院小児血液腫瘍科助教の平井麻衣子さん、
そして私がお二人にお話を聞く形で
医療の場におけるアートの可能性を探求する、
というものでした。
稲葉俊郎先生とのつながり
まず、稲葉先生との繋がりは
「アートは医療的な効果を生む」という考えのもと、
スマイリングホスピタルジャパンの活動を当時勤務されていた
東大病院の小児病棟看護師長さんに活動を推薦くださり導入に至ったという経緯があります。
また、
先生は以下のような推薦文を本の帯に寄せてくださいました。
”笑顔で心の底から笑うこと。驚き感動すること。生きるために必要なこと。医学や科学にも限界があるが、アートにはその限界を突破する創造的な力がある。よりよい医療の場の創造的な実践にこそ、未来の社会の種が含まれている”
ブログでも紹介くださっています。
医療と芸術は人間が「いのちの全体性」を取り戻す営みと捉え
「いのちを呼び覚ますもの」
「いのちは いのちの いのちへ」
「ころころするからだ」
など多数の著書を出されているほか、
山形ビエンナーレ2020では芸術監督をされた
まさに医療と芸術をライフワークにされている方です。
お話の中で
なぜ医療と芸術を分けるんだろう!
と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
それほど、医療とアートは同じ方向を向いているもので
分けて捉える必要すらないというお考えがとても胸に迫りました。
平井先生とのつながり
平井先生は
子どもの入院生活をいかに楽しいものにできるか、
子どもらしい時間をどうしたら作ることができるかを日夜考えている方で、
必然的にSHJのホームページを見つけ、
活動をリクエストしてくださいました。
今ではコロナ禍でできることを一緒に考え活動の指針を示してくださっています。
本書では
「子どもの不安や孤独を取り除くために必要なこと」というテーマで
コラムを寄せてくださっています。
”治療は、病気の痛みを軽減することはできても、
患者の不安や孤独までは取り除くことはできない。
子どもたちの健全な発達や治療中の精神的なサポートのためには
楽しいことを思いっきりできる時間が、治療と同じくら大切だ”
と伝えています。
お話の中では、自分は芸術家ではないので何が話せるかわからないけれど・・
とおっしゃりつつ、そこは私と全く同じ立ち位置。
「治療以外の時間」を生み出すのがまさにアートだと
SHJの活動を通して実感されその力を信じてくださっています。
珠玉の言葉満載の語り合い
お二人のお話の中から見つけたキーワードの一つは
「健康学」。
元気というのはからだとこころ両方のことで
病気が治るから元気になるんじゃなくて
元気だから病気が治るのだと。
だから医療の場にこころが元気になれるアートが必要だという
ところにつながります。
次に、
「アートを通して関わるみんながフェアな関係になれる」
という言葉にも我が意を得たり!と大きく頷いたキーワード。
活動に夢中になることが立場の垣根を取っ払うことができるとは
まさに私が本に書いたことです。
そして、
「アートには病気から脱出させる力がある」
という考え方には痺れました。
さらに稲葉先生から、
「いったん病気になると生活の場から離れて入院することになるが、
むしろ生活の中にこそ医療はあるべきだ」
という考え方をお聞きしました。
これは先生の人生観に通じるようにも感じました。
共有地「コモン」という自然も自分も再生できる
まちづくりを目指しているとか。
そしてこのまちで芸術祭を開くことが夢だと。
このプロジェクトにはぜひ参加したい!
医療とアートの融合が大きな力に!
西洋医学の現場に身を置くお二人が
患者さんと対峙するなかで感じていることや、
アートを代表とする表現活動と医療の融合が
大きな力を生むことをお話くださいました。
もっともっと伺っていたかった
学び多きイベントとなりました。
また同じような企画があれば嬉しいなと思っています。
今回定員80名を遥かに超える107名の参加がありました。
稲葉先生と平井先生の魅力のおかげ。
今度はお一人ずつに二人からじっくりインタビューする企画なんでどうでしょうか・・・。
鼎談はアーカイブ公開される予定ですので
その際は改めてこちらにリンクいたします。
アートで人は元気になれる
アートが好き、アートで人は元気になれると共感してくださる方、
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