建物としての魅力
美術館を訪れる目的は
当然展示されている絵画等を鑑賞することだが
その建築に惹かれ、出向くことも多い。
なんども訪れる山梨県立美術館は
広大な敷地にゆったりと佇むその重厚さの中にどこか威厳を感じ、
作品を鑑賞する間、そしてレストランで食事をする時間含め、
そこにいるだけで落ち着く建物だ。
岡山県倉敷市にある大原美術館は
その有する世界的に有名な絵画はもちろんのこと、
本館の古代ローマを思わせる荘厳さ、
彫刻が散りばめられた庭や日本庭園の落ち着いた雰囲気、
そして建物の細部にあしらわれた装飾に至るまで、ため息が出るほどの美しさだ。
長野県上伊那郡中川村のアンフォルメル美術館は
山に埋もれるように立ち自然と一体化しているところがとても心地よい。
庭園の中に佇む低層でシンプルな神奈川県立近代美術館や
海を見渡すようにゆったり開放的に作られた
横須賀美術館の佇まい、
さらに都立府中の森公園の一角に、
人々の生活の中に溶け込むように建つ府中市美術館を訪れる時、
館内に入る前にまず建築物としての魅力を堪能する。
無言館
十数年前からお気に入りの場所として向かうのは
長野県上田にある無言館。
コンクリート打ちっ放し、全ての無駄を省いたと言える
その作りに、無念にも戦禍に散った若者たちの
描くことをとおしたメッセージのみを感じとれ！
とばかりに迫ってくるその圧倒的な存在感は
言葉に尽くせないほどだ。
ホキ美術館
最近訪れた千葉県千葉市にある
ホキ美術館のデザインには目を見張るほどのショックを覚えた。
ホキ美術館は世界的にも珍しい写実主義の絵画を専門に展示する美術館。
人物画がそのほとんどを占める。
その建物、ギャラリーの奥の方が数十メートルもあるだろうか、
宙に浮いているのだ。
館内にいるときは気づかなかったが
鑑賞を終え、建物ぐるりを見渡すと
自分が絵画鑑賞をしていたギャラリー部分が浮いていることを知り圧倒された。
斬新！と一言では言い表せない、なんとも不思議な建物。
立ち位置の違いで色々な表情を見せる。
心なしか湾曲したような建物の廊下には採光が工夫されているところから、
自然の光をも味方につけて魅力を放っているといえそうだ。
建物の周囲には棒状の鉄骨がずらっと並んでいるのだが、これは森の杉林をイメージした
という。
建造物としてのアート
美術館の内側に展示されるアートの他に
美術館という建築物そのものに偉大なるアートを感じ
はっとすることがなんと多いことか。
若い頃から美術館巡りは好きだったが
年を重ねるごとに
その建物の魅力に気づき感動を覚えるようになった。
もしかしたら、美術館のあり方そのものも
時代の移り変わりとともに変化してきたのかもしれない。
私にとって、
行く先々の美術館を訪ね、それぞれが内包する多様な美を味わえるのが
旅の醍醐味であり、
もっともっと色々な場所へ旅してみたい
と思う理由の一つだ。
アートで人は元気になれる
アートが好き、アートで人は元気になれると共感してくださる方、
「SHJ子どもとアート研究会」で一緒に子どもたちを応援しませんか。
＊まずは代表著書「夢中になれる小児病棟」を読んでみる
＊＊＊＊＊
SHJを応援しませんか？
例えば月１〜２杯のコーヒーを子どもの笑顔に変えませんか？月500円からのマンスリーサポーターを募集しています。いただいたご支援は、アーティスト謝金、交通費、抗体検査、そしてアート＆学びサポートセンター運営費に有効に活用させていただきます！マンスリーサポーター申し込み
Smiling Hospital Japan Official Website
Smiling Hospital Japan Facebook
事務所/SHJアート＆学びサポートセンターへ、
ぜひ足をお運びください！
東京都杉並区永福4-1-9 1-B
オープン 月 火 木 金 10:30~17:00 土日 不定期
