年始は大好きな場所、山梨県立美術館へ。
チケットを買ってさて展示室へと向かおうと振り向くと・・
「風景を眺め、聴く」(2017年 アクリル絵具 パステル 鉛筆 水性クレヨン)
10メートルほどもある巨大な絵画が出迎えてくれました。
ホールで上條暁隆展が開催され、そのテーマは、
「在ること 見ること 描くこと」。
なるほど、作者は河口湖畔の森の中に暮らして15年、毎日目にする風景を描き続けているといいます。生きている時間を画面に置き、連続する画面は時間の流れを感じさせています。
ここでまた思います。アーティストはいいなあ。
自分の生きた証を残していけるから。
そんなことを思いながら、美術館40周年記念企画展会場へ。
アンケートによって選ばれた所蔵品「私の愛する作品たち」をコメントと合わせて展示するという企画。
前回訪れた時はゴッホ展、今回は記念企画展とともに、コレクション展としてミレーと萩原英雄の作品も多く展示されていました。
まず目に入ったのは「手でみるミレー」。
ミレーの代表作《種をまく人》と《落穂拾い》の図版と点字解説、それにミレーの生涯の点字解説が展示されていました。
希望により、視覚障害者一人に対して解説協力ボランティアが一人付きそうというシステムです。
渋谷区松濤にあるギャラリーTOMは、視覚障害者が彫刻に触って鑑賞できる美術館で、こちらもお気に入りの場所ですが、県立の大きな美術館が同じような取り組みをしていることにワクワクします。
素晴らしいアートワークはもちろんのこと。
建築としての素晴らしさ、充実のミュージアムショップやオシャレなレストラン。
広大な敷地内にゆったりと展示された数々の彫刻。噴水や植栽の配置など、
今回も美術館の魅力に浸ることができました。
みることで、眺めることで、触れることで、そして感じることで心にたくさんの栄養を与えてくれました。
山梨県立美術館 開館40周年記念コレクション企画展
「山梨県立美術館物語」3月4日まで