“障がいの有無に関わらず、すべての人々にとってアクセシブルでインクルーシブな大会”
を実現するためのガイドライン。
2020年五輪・パラリンピック組織委員会が定めています。
このガイドラインの矛盾を
東京都盲人福祉協会が批判しています。
8/9投稿〜来年のことが心配でたまらない〜
では
激しい運動や不要の外出は避けなければならない
真夏の東京でアスリートたちは大丈夫か!
今まさに酷暑の中で工事現場の作業を強いられる人たちの人権は?
と、疑問をぶちまけましたが、
今回の報道に、
ますます心配な五輪と
委員会の
決定的ななんちゃって人権意識が見えました。
このガイドラインに基づき、
「大会関係者向け携帯用アクセシビリティサポート・ハンドブック」
が作成され、
1 接遇の基本
2 スムーズな移動がしにくい方へのサポート
3 視覚による情報が得にくい方へのサポート
4 音声による情報が得にくい方へのサポート
5 伝えること・理解することが難しい方へのサポート
6 補助券を連れている方へのサポート
について場合に応じた対応方法を説明しています。
さらに、ガイドラインの中に情報発信用の刊行物についての方針が書かれた箇所がありますが、問題はここ。
・組織委員会が作成する刊行物は、紙面のコントラスト・光沢、文字の色・大きさ、フォントの種類・太さ、行間、文字間隔等において読みやすい配慮が必要。
・視覚に障がいのある人が情報にアクセスできるよう、点字、テキストデータ、拡大文字または音声形式、触知可能な地図等で提供できることが望ましい。
ところが、
大会のチケット購入方法について説明する点字資料や、
必要な情報を音声で案内するCDを作成していないということを
東京都盲人福祉協会が批判していると
新聞記事で知ったのです。
「ホームページを音声読み上げ対応にしている」
「配慮が必要な人の専用ダイアルを設置した」
「点字印刷物はあとで修正できなくなるため作成すべきでない」
「ガイドラインには情報提供する手段の例示に過ぎない」
と言って対応をしていないといいます。
これでは公平な情報発信ができていないことになります。
さらに
「今後も流動的な情報を点字で案内する可能性は低い」
と。
情報とはそもそも流動的なものではないかと考えると
詭弁を言い放って論破しようという人権意識のなさが透けて見えます。
組織委員会の言っていることと
やっていることには大きな矛盾があり
自らが作ったバリアフリー化の指針に反していると言わざるを得ません。
・組織委員会のHPには膨大な情報があるため音声読み上げには時間がかかる
・専用ダイヤルの案内に行き着くのも困難
と協会は指摘しています。
これでは共生社会とは絵に描いた餅です。
「障がいの有無に関わらず、すべての人々にとってアクセシブルでインクルーシブな大会となるよう様々な取組みを推進しています」
とガイドラインのトップに書かれたその趣旨
が字ズラだけ優しい言葉を並べただけの
薄っぺらなものだということがわかります。
「心のバリアフリー」
「最高のおもてなしで」
という美しい表現も添えられています。
言葉で飾ることは簡単です。
障がいの有無にかかわらず全ての人にと。
しかし、
今後も流動的な情報を点字で案内する可能性は低い
と宣言しているのです。
百歩譲って
間違いは誰にでもある
でも明らかな矛盾を指摘されたら
「今後対応を考える」
ぐらい言えないだろうか。