今や全国に広がる子ども食堂。
東京の八百屋の店主が
貧困や親の多忙から
ご飯を満足に食べていない子どもが増加している
ということを知り、
自らが経営している八百屋の一角に子どもたちが
食事できるスペースを設置したことがきっかけだとか。
(gooddoウェブマガジンより)
2012年に始まったこのスペースが
「子ども食堂」になって
今では全国に5816箇所以上もあるそうだ。
(1/24東京新聞紙面より)
広がりの理由はひとり親家庭の厳しい状況。
コロナ禍で休止したケース、
お弁当の配布に切り替え支援を続ける食堂もあります。
この食堂、食事だけが目的ではなく
宿題をしたり親が仕事から帰ってくるまで
遊んだりできるような「居場所」という大きな側面も。
地域で子どもを見守ろう、という
愛溢れるムーブメントだと思います。
さて、「居場所」と言えば
認定NPO法人3keysも同様な取り組みを目指しているといいます。
この団体は10年前から
虐待や貧困などのために
塾や家庭教師などを利用できない15歳以上の子どもの
学習支援事業と、
子どもの権利保障推進事業を行っていますが(3 keys ホームページ)
家に居たくない子どもたちのワンステップユースセンター
を作る計画をしているそう(団体紹介冊子より)。
相談したいことがあっても親や学校に知られたくない
など、悩みを抱える子どもが
安心して過ごせる「逃げ場」を作るのだとか。
このような「居場所」が必要になるところ、
いかに子どもにとって生きづらい社会なんだろうと
感じると同時に
子どもに愛情を注ぎ大切に思い
実行する人がたくさんいることを思うと
明るく嬉しい気持ちになります。
*****
さてさて、本題はここから。
タイトルは
「子ども食堂みたいに・・・」。
スマイリングホスピタルジャパンが実施する事業
在宅医療を受ける障がいの重い子どもの自宅を訪問して
学習支援を行う「学びサポート」は
開始してからもうすぐ3年になりますが
ここのところ必要性を感じ始めたのが
障がいがいくら重くても
自宅に閉じこもっていなくてすむ環境を作れないか、
ということ。
地域には子ども食堂を始め、子どもの居場所が次々と開設されているなか、
障がいの重い子どものための「居場所」もあっていい。
重い障がいのある子どもやお母さんは自宅に籠りがちになり、
居場所は医療機器が所狭しと置かれた自宅だけという場合が多いもの。
しかし、いくら障がいが重くても、
体調の安定しているときは外出し
外の空気や街の様子に触れ
自宅以外で学習したり活動したりしながら
生活に変化を持たせる機会は可能な限り必要だと思うのです。
今まで各ご自宅での個別学習でしたが
「居場所」ができれば
数名で音楽のセッションだってできる。
医療的ケアがある子どもは
親などケアをする人の付き添いのもと外出するから
ケアする人にも外出の機会ができて
子どもが学習している間はお茶を飲んだり
休憩したり、情報交換したり
そんな親にとっての「居場所」にもなるスペースにしたい。
さらに、SHJオリジナルの「バリアフリーみんなの教材」
を展示して
教員や学生など特別支援教育の関係者に体験してもらったり
ノウハウを交換しあったりする機能も持たせたい。
退院した子どもがふらっと立ち寄って話をしたり、
SHJの活動を手伝ってもらったり、
アーティストが打ち合わせをしたりするスペースとしても、
と多様性のある場所作りは
短期中期的ビジョンとして
スタッフと共有しています。
子どもを含め、家族が孤立しないような集いの場所であり
支援する側される側が集う
「みんなの居場所」を作るのが夢。
このような場所の存在が、
障がい者自らの発信基地となり、
地域に障がいへの理解や共感、
社会に多様性と心のバリアフリーを生むことに繋がり、
互いに支え合う空気が作られ
行政などへの物理的なバリアフリー化への動機付け
という波及効果も
期待できるのではないかな。
さらにモデルケースとなり
このような「居場所」が
まるで子ども食堂の広がりのように
全国に広めることができたら・・・
と考えています。
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