映画監督と対談!
ドキュメンタリー「帆花」
この映画を制作した監督と対談することになるとは
全く思ってもみなかった。
入院中の子どもや重い障がいの子どもを
アートや学習を通して支援する活動を行なっていると
帆花ちゃんのような最重度と呼ばれる子どもが
とても近しい存在だ。
だから
脳死に近い状態で生まれた帆花ちゃんと
家族の生活を追った映画の存在を知って
どんなドキュメンタリーになっているのか
重度の障がいの子どもの家族の日常を通して
監督が伝えたいものとはなんだろう・・
と興味を強くし、この映画を観た。
*****
1月2日、待ちに待った公開は東中野ポレポレにて。
今までヒューマンドキュメンタリーを
何度となく観に行った、
こぢんまりと家庭的なこの映画館は大好きな場所だ。
今回のドキュメンタリーにぴったりしっくり、相応しい場所のように思えて
ウキウキと出かけた。
そして上映に続く監督挨拶が終わると
パンフレットを買い、サインをもらうために
暗い会場を我先にと後にした。
監督はシャイな青年、といった感じ。
10年の歳月をかけてこの作品を仕上げたという。
サインをしてもらいながら
わけもなく緊張して、
後ろに続く長い列に追い立てられるように
感想ひとつ伝えることもできずに映画館の外へ。
それが今回、
「対談」
という形で再会し、語り合うことができるなんて!
「帆花」全国順次公開中です。
詳細は公式サイトhttp://honoka-film.com/ まで。
イベントについて
オンライントークイベントは3月13日15時から。
広島 蔦屋書店が主催するこのイベントは、題して
”『夢中になれる小児病棟』(英治出版)
フェア開催記念 松本惠里×國友勇吾×稲葉俊郎トークショー”
(トークショーなんてなんだか芸能人みたいで照れる〜・・^^💦)
テーマは「言葉ではない方法で、人とつながること 」
現在広島 蔦屋書店でブックフェア「表現のちから」が開催されていて
その記念イベントとして鼎談が企画された。
國友勇吾さんは「帆花」を制作した映画監督。
そして稲葉俊郎さんは前回の英治出版主催の鼎談イベントでも
お付き合いくださった軽井沢病院副院長。
「夢中になれる小児病棟」に推薦文を寄せてくださっている。
ちなみにブックフェアは3月27日まで書店店頭で行われていて
國友監督、稲葉医師、前回の鼎談で一緒だった平井小児科医、
そして松本の選書が展示されている。
トークイベントについてはこちら↓
【広島 蔦屋書店】『夢中になれる小児病棟』(英治出版)フェア開催記念 松本惠里×國友勇吾×稲葉俊郎トークショー
それぞれの立場から
言葉でない、言葉を超えた何かで
人と繋がることについて語り合えたらと思う。
言葉とは
意思疎通するために言葉があり
言葉を通して互いに理解し合う。
それが一般通念というか、
極めて当たり前のことだ。
しかし本当は言葉の裏や奥の方に
真の思いというのがあったり、
「なんていうか、うまく言えないんだけど」
とつい表現力不足を感じたり。
こんなふうに、言葉では言い表せない
ということは誰にでも往々にしてあるのではないか。
それは口下手だから、とか
シャイだから、とか
そういった理由ではなく、
その人独自の極めて個別的な感情は言葉というツールを超えるから。
気持ちを相手に伝えるために言語があるのに
言葉だけでは足りない。
伝え尽くせない。
そんなもどかしさを誰もが感じるのではないだろうか。
お互いにわかった気になって
そのまま場が移っていく、ということも。
もしかしたら読むべき行間の存在に気づかずに
ちょっとした誤解が生まれて
関係性にも影響してしまう、ってこと、
なんとなく心当たりが私にもある。
さらに言葉とは
言葉とは、一つ一つの事象を一般化するために存在し
意思伝達を行うための極めて合理的なツールだと思う。
いろんな感情や考えや思いがあるのに
それを最大公約数に落とし込んで
誰にでも
わかる
ようにシンプル化した暗号みたいだ。
しかし、この「わかる」
という概念自体もとても曖昧で、個別性がとても高い。
そんなことを考えると
帆花ちゃんのように言葉を発しない人だって
饒舌な人だって
そこに存在するだけで言葉を超えたやりとりが成立することになる。
言葉を超えて
帆花ちゃんのお母さんやお父さんは
帆花ちゃんの微細な動きや息遣い、声に向き合い耳を傾け思いを読みとる。
違っているかもしれない。
わからないこともしばしばだろう。
でも
違っていてもいい。
わかろうとしている姿勢が伝わることで
信頼関係や親密さが出来上がっていくように思う。
それは
私たちが活動の時に重度の障がい児と関わるときも同じだ。
「〇〇なの?」
「〇〇がしたいんだね?」
わかりたいんだよ、という思いは
相手にそっと触れ語りかけ、反応をゆっくり待つこと、
微細な動きから答えを読み取ろうとすることで伝わる。
そのような関係性の中で
言葉にならないけど本当に伝えたい大切なことに
気付き合えるのではないか。
言葉ではない方法で人と繋がる・・・
言葉で伝えようとすることがどこまで正確に伝わるか。
言葉で読み取ったはずのことがどこまで正確か。
それがわかるのはとても難しいこと。
つまり不確実なコミュニケーションで溢れていると考えれば
言葉を介さないメッセージの存在の
多さや大切さを感じずにいられない。
それには洞察力や共感力が不可欠だし
月並みだけど、
多様性に飛び込んでいくことが大切だろう。
個別性、というものを常に意識することも然り。
👦 👧 👨 👩 👴 👵
いずれにしても
どんな状態であっても
互いを言葉で100%理解し合うというのは難しい。
それは、
一人一人が言葉で言い表せないほど広く豊かな宇宙を持っている
から。
自分だけの内面世界はもはや言葉を超える。
言葉で表す代わりに
表現活動や、芸術、文化があるのかもしれない。
アートで人は元気になれる
アートが好き、アートで人は元気になれると共感してくださる方、
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*まずは代表著書「夢中になれる小児病棟」を読んでみる
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