終始ドキドキワクワク！
イラストレーター・グラフィックデザイナー
和田誠さん（1936-2019）の個展へ行きました。
映画監督、エッセイスト、作詞・作曲家、
さらにアニメーション作家
として大活躍だったことが頷けるほどの
作品の数々が会場を埋め尽くし
特に膨大な雑誌の装丁には圧倒されました。
作品一つひとつに込めたメッセージが強烈で、
見るほどに、
一つ残らず見落とさずに脳裏に焼き付けるんだ！
という欲張りな気持ちが湧き上がってくるほど。
広範囲にわたる創作の前での感覚は興奮＋過集中！
知ってるようで知らなかった！
和田誠さんとの出会いは終始ドキドキワクワクでした。
会場での撮影は運よく許可されていたので一部を掲載しています。
芋づる式に広がった和田誠の世界
主催者のあいさつがパネル展示されていたので引用します。
「一つの仕事が次の仕事につながり
それが呼び水となって他の分野の仕事を引き寄せ、
『芋づる式』に広がっていった
絵本を描くうちに文章も書きたくなり、
童話を創作した延長で童謡の作曲を行い、
ミュージシャンとの関わりからコンサートのポスターを制作し、
さらに舞台構成や演出、映画監督まで、
様々な分野で一級の仕事を残しました」
ひとところにじっとしていない和田誠さんの生き方に
敬仰の念を抱くとともに
共感と憧れを感じずにいられません。
じっとしてないけど真ん中には
絶え間ない表現への追求があって
ウイットがその大きな要素となっていることに
和田さんの証のようなものを感じます。
おしどり夫婦
料理家の平野レミさんのお茶目ぶりは大好きですが
負けず劣らずの和田さんが作品に込めたユーモアと遊びごころを垣間見て
幸せな気持ちになりました。
似た者夫婦の日常がどれほど発想力に富んで
芋づる式に！創造力を生んでいったかを
会場で浴びるほど感じ、
その発想の豊かさと表現力に圧倒され
思わず座り込んでしまうほどのエネルギーを浴びました。
元気に活躍中の和田誠氏がエプロン姿のレミさんを伴い
どうだい？
と、来場者に語りかけながら会場をせわしなく行き来する姿を密かに想像し
現実であってもなんだか不思議はないような錯覚を覚えました。
際どさと品と
そんな和田さんの作品は
著名人のデフォルメしすぎず
程よく特徴をつかんだ似顔絵や
ほっこりするような絵本の挿絵
世の風潮を笑い飛ばすようなメッセージ性の高い風刺画
など、多様。
その中で一番気に入った（受けた！）のは
北風と太陽のパロディ（『写楽』原画）。
力ずくではなく説得力が勝つ
というたとえ話のはずが、
和田さんの手にかかると全く違う切り口。
なんと若い女性の上着だけでなく
下着まで！北風が吹き飛ばしてしまう。
女性はといえば慌てたふうでもない。
おまけにこの場面をなんと、
シャッターチャンス！とばかりに
太陽が撮影している！。
なんという羽目の外し方！
それでもちっともいやらしくないのです。
和田さんの作品は際どさの中に品があって
見ていて爽やか。
こんな風に評するのもおこがましい限りですが、
そう思います。
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ユーモアとインスピレーション満載の和田誠展、
新潟県立万代島美術館での開催は終了しましたが
2022-2023年の間、巡回展を予定しているそうです。
■2022 11/19~12/18 北九州市立美術館 分館
■2023 3/24~5/7 岡山県立美術館
■2023 5/20~6/18 美術館「えき」KYOTO
■2023 秋 愛知
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