子どもが大切にされる平和な社会へ

公園の遊具と感覚教具

愛し懐かし公園の遊具

先月の新聞で

東京23区で過去7年間に

遊具が減った公園が414ヶ所、

遊具が小さくなった公園が56ヶ所あると

報じていたのがずっと気になっている。

たしか、昭和も終わりを告げる頃までは

公園に必ずと言っていいほどあったジャングルジム。

次々に撤去され

いまでは小学校のグランドからも

姿を消しつつある。

〜ジャングルジムはどこへ行った?〜週末、孫3人を預かって近くの公園へ。 この辺りは都内でも緑豊かで児童遊園や公園が点在していますが、私が小さい頃によく遊んだジャングルジ...

ほかに

回転ジャングルジムや

シーソーなんかも見かけなくなった。

さらに懐かしいのは

うんていや登り棒

箱ブランコに

遊動円木。

遊動円木とは

太い丸太の両端を支柱や梁などに固定した鎖で

地面すれすれに水平に吊り下げた大型の遊具(→Wikipediaより)。

このままの場合もあれば

中心に向かい合うように複数で座って

ブランコのようにゆらして遊ぶものもあった。

そして

極めつけは回旋塔。

回旋塔とは、

えっと、昔よく公園にあった円盤みたいな遊具、何というんだろう?と

今回調べてやっと知った名前で、

巨大な傘が地面に刺さっているような形をしていて

高い柱の頂から自由に回るようにした鎖と輪が吊り下がっているもの。

輪につかまり回転しながらぶら下がって遊ぶ。

回るスピードが早ければ早いほど

スリルが味わえて楽しかった。

公園に行けばまっさきに選んだ遊具だった気がする。

捕まって助走をつけ

思いっきりスピードをだしてから地面から足を離して

空中で回る・・.

本当によく回った、遊んだ。

遊具は身体感覚を学べる

私が幼い頃は

都内でもあちこちに空き地や雑木林があって

木登りしたり

枝にぶら下がったりしていたものだ。

だんだんと環境がかわったりして

そのうち

近所の公園のジャングルジムに登ったり

思いきりブランコを漕いだりして

暗くなるまで遊んだもの。

公園の遊具、

ただスリルを味わいながら楽しむだけのものではない。

自然に身体を動かして

体力や身体の使い方を身につけることができる。

たとえば

ブランコなら腕と脚の協働を、

ジャングルジムなら空間の認知など、

滑り台なら重力を体感したり姿勢を保つことを学べる。

遊具に引き寄せられて

つい登りたくなる、つい捕まってみたくなる・・・

遊具がその魅力を放って

おいで!遊ぼうよ!

と誘ってくれる。

身体感覚の学習を促してくれる。

そうして

子どもはおもしろそう!

と自然に遊具に駆け寄り

存分に身体を動かしたりして

いつのまにか自ら学習してる!

しかも楽しみながら!

どう動いたら頭をぶつけないか、

落ちないようにバランスをとるためには・・

など身体感覚や、

身体の動かし方が遊びながら身につくのだから

これらの遊具は発達に重要な任務を担う。

順番を待ったりという社会性も

身体ごと身につけている!

これって学びのあるべき姿では??

感覚教具

スマイリングホスピタルジャパンでは

在宅医療を受ける障がいの重い子どもを訪問して

学習支援を行っている(在宅訪問学習支援「学びサポート」)。

通常の環境では学ぶことが困難であるため

I C Tなど支援機器を使って

個々に合ったコミュニケーション手段を使って学習する。

また、量や形、空間の概念を身につけるために

オリジナルの感覚教具を使う。

例えば

数の棒や円盤はめ

ボコボコと振動が手に伝わるボコボコシリーズなど。

感覚教具は重さや振動を生かし

心地よいフィードバックが得られるように作られていて

子どもはその達成感が嬉しくて

自ら手を伸ばして何度も何度も繰り返す。

時には支援員の意図を超えて

教具の新しい使い方まで開拓する子どももいる。

もともと子供が持つ自ら学ぶ力

公園の遊具と感覚教具。

どちらもボディイメージを育てるフィールドワーク 

という共通の佇まいだと気づく。

静かにそこに存在するだけで

子どもは引き寄せられ手を伸ばし

主体的に学ぶ。

大人が周りで

ああしろ

こうしろ

それはやめなさい

なんて言わなくたって

子どもは自ら学ぶ力を持っているのだ。

目の前の全てを教材にして

メッセージを受け取り応える能力のなんとすごいことか。

スマイリングホスピタルジャパン在宅訪問学習支援では

これからもどんどん感覚教具を使うし

新しい教具の開発も行なっていく。

子どもたちは教材を待っている。

遊具撤去で失うもの

かたや、公園の遊具。

死亡や重傷につながる危険はあってはならないが

安全のためにと撤去されるのはとても寂しい。

むしろ小さな怪我を繰り返しながら

危険を回避する能力を身につける絶好の教材なのに、

と思う。

頭をぶつけたり

足を踏み外したり

バランスを崩したり

という失敗から

ではどうしたら?

を肌感覚で学ばせてくれる遊具。

子ども自ら身体感覚を身につける機会を提供してきた

偉大なる存在は

在宅学習支援学びサポートの

感覚教具の存在に匹敵する。

ぜひ復活してほしいものだ。 

*****

安心・安全第一で危険を回避し過ぎては

挑戦する意欲や

失敗を恐れない心は育たない。

とっさに身を守るすべを学ぶ機会にも出会えない。

失敗をいかして伸びてゆくという

成長に必要な基本的なチャンスを

みすみす逃してしまうんじゃないかな。

思わず手を伸ばすものが本物の教材

おもしろそう!

と自然に駆け寄り手を伸ばす

存分に身体を動かしたりして

いつのまにか子どもは楽しみながら自ら学習してる!

そのような教材がとても自然だし

本来の子どもの成長に必要なものだ。

子どもの可能性は計り知れない。

やらされてやるものはすぐに忘れる。

自ら学んだことは一生の宝物になる。

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