子どもは誰でも芸術家だ。
問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。 バブロ・ピカソ
東京芸大130周年記念事業 全国美術・教育リサーチプロジェクト
ー文化芸術基盤の拡大を目指してー
の一環で行われた大学美術館での展覧会を訪れました。
全国の園児や小・中学生、美大生、プロのアーティストまで各世代の絵画や立体造形など約200点が一堂に並んでいてどの作品も個性的。
一部不可を提示しているもの以外は写真撮影OKとのことで、あれもこれも欲張って撮ってきました。
幼児からプロへと順路になっていて、大人になるにつれ、完成度が上がっていくようでした。
しかし、やっぱり子どもの作品の方が面白い。まっすぐな感性をのびのび表現していて、突飛な発想をそのまま作品にしていたり、色の組み合わせにも意外性があって最後までワクワクしながら鑑賞しました。
子どもたちの成長過程に即した創造力の育成を行うべきであると主張する催し。
想像力に欠けると人間関係もぎこちなくなる。そういう意味でも相手の気持ちを推し量り(今でいう忖度ではありませんよ)、今自分がどうあるべきか、次にどう行動するべきかを考えるためには生きる力を喚起するための創造力が培われなければならない。美術教育がその一役を担う、うなずけます。
暗記などに力点を置く教育は、人工知能(AI)に置き換えられる能力を育てることになります。
高性能デジタルの登場でスキルを学ぶ機会とその必要がなくなりつつありますが、それを生かす感性とのバランスこそが課題となりそうです。
多くの体験の中で心が動くことで感性を伸ばし、ロボットにはない想像力と創造力を培っていくことが、現代そしてこれからの教育の柱になるに違いありません。
もはや机上での学びではありえない芸術活動こそが、全人教育に直結するものと確信します。
さて芸大の美術館。
建物の中の何気ない佇まいもすごいアートであることを発見。展示作品もさることながら究極のアート空間です。