〜フランクル「夜と霧」再び〜
3/12の投稿で、アウシュビッツ収容所生活で明日もわからない中、フランクルが人々に語った言葉を紹介しました。
「希望を捨て、投げやりになる気はない。なぜなら未来のことは誰にもわからないし、次の瞬間自分に何が起こるかさえわからないからだ」
私自身、活動の中で、余命宣告された子どもたちを前にしても、同じ「時」を共有する喜びが得られるのは、
「今」そして「時間そのもの」は平等に与えられている
という個人的な考えかたからきており、フランクルの哲学に大いに共感する所以だと、結びました。
先日難病と闘う社会活動家・小沢綾子さんの詩集が新聞で紹介されていました。
「10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる」百年書房
20歳の頃10年後に車椅子生活になる、と告げられた自分に宛てた「伝言」の形式で詩は紡がれます。
今日、君は絶望していると思う
と始まる詩は、
安心して
10年後の君は
君が思っているほどに
悪いものじゃないから
と続く。
今日できることができなくなる進行性の病気だからこそ、
・・・人生は今、この時だ・・・
と、今を全力で生きる大切さを訴えています。
次の瞬間自分に何が起こるかさえわからないから希望を捨てない、というフランクルの哲学と重なります。
・・・一日一生・・・
私がいつも心に置く大好きなこの四文字を、小沢さんは身をもってその生き方に反映しています。
そしてことばにして多くの人に「今、この時」を大切に、と語りかける。
未来が描けない境遇の人に届けたい、と小沢さん。
どんな立場の人にとっても人生の指針となるエッセンスが込められたメッセージ。これからも書き続けていってほしいと思います。
「10年前の君へ」は、全国の書店で注文でき、1冊につき50円が日本筋ジストロフィー協会に贈られます。