ある写真家について
ハービー・山口さんという写真家がいる。
「長い病歴は良い思い出ではなかったが
私の撮る写真に優しさと温かさを与えてくれたようだった」
と、新聞の連載エッセーに寄せている。
生後間も無く、脊椎カリエスを患い
上半身をコルセットで固定し
痛みのため立ち上がることができず
小学校の体育の時間はいつも見学だったと。
通院する病院の窓から見える風景が唯一の慰めだったという。
生きる希望
写真家として歩みはじめた頃、
テーマを「生きる希望」
に決め、
少しずつ元気になっていったという。
通院時、病院の窓から見える風景が
あの頃の生きる慰め、希望につながった思いから
浮かんだテーマなのだろうかと想像する。
幼い頃、身体の自由が効かないことで
仲間に入れてもらえなかった日々と
週に2回通院し注射された記憶。
注射のたびにだるくて頭がぼーっとしていたから
楽しみも希望も持てなかった思い出。
そんな中で山口さんを絶対に排除せず
痛みをひととき忘れさせてくれたのが
通院時に必ず見る窓からの風景。
だから生きる希望を感じるものを次々に
ファインダーに捉え
辛かった中に
慰めを見出し自分を重ね合わせ撮った写真には
見る人を優しい気持ちにさせてくれる何か
が隠れているのだろう。
表現すること、は
自分の生きる希望になり、
見る人の感動になる。
表現活動は闘病生活を豊かにする
辛い思い出を今の自分の糧にしている山口さんの姿は
病院の子どもにアートを届ける活動を通して
”闘病を思い出したくもない出来事として蓋をしてしまうのではなく
生きる力に変えてほしい”
という団体の願いそのままだ。
闘病生活は決して良い思い出ではないのは事実。
しかし、豊かな時間に変えることはできる。
日常の中では気づけないことや
何気なく過ごしている日々の中で思い及ばないことに出会えたり、
孤独の中で得られる自分との対話の時間が
かけがえのないものに思えたり。
その後の人生においても
あの時代がなかったら・・・、
と思えることがきっとあるはずだ。
長期にわたる痛みや我慢を経て人の痛みに寄り添うことが
できるかもしれない。
あの頃の気づきが新し自分を作るってこともある。
病を通して自分と向き合う中に
表現活動を取り入れることができたら
自分を深く知ることができ、
さらに闘病生活を豊かに生きることができる。
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