昨日は、親が病気の子どもを見舞うときに、兄弟の過ごす場所を設ける病院がとても少ないことの問題点を書きました。
病院はその必要性に気づいていないわけではなく、本来の業務ではないという認識に加え、物理的、人的にそこまでカバーできない、というのが実情のようです。
🌀兄弟は病棟に入れず病気の兄弟に会うことができない・・。
🌀親を待つ間の兄弟の居場所のなさ、寂しさは、兄弟の治療という課題の影に隠れてしまい、問題として認識されにくい・・。
しかし、病気の子どもの兄弟の問題は、
親が面会中だけのことではありません。
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週末、映画「ワンダー君は太陽」
を観ました。
遺伝子疾患により変形した顔で生まれた10歳のオギー。困難にぶつかりながらも学校へ通い、懸命に生きるオギーはいつも両親の心配と関心の的。
両親の愛は弟に注がれがち、お姉ちゃんのヴィアは「私を見て!」と心で叫ぶだけ。
「オギーは太陽で、私は惑星」
とヴィアは寂しさを抱えます。
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兄弟たちは、
「お母さん、お父さんに自分もかまって欲しい」
「だけど、自分は健康。我慢しなくちゃ」
「病気の兄弟に優しくしてあげなきゃ。だけどちょっと憎らしい。そんな気持になる自分が嫌だ」
「両親にこれ以上、大変な思いをさせないようにしっかりしなきゃ」
「でもめちゃくちゃ寂しい」
こんな思いを抱きながら日々、自分は太陽の周りを回る惑星の1つにすぎないのだと気持ちを押し込めながら、自分をどうにか保ち生活するのです。
また、そのような時期が過ぎた後も、自分は蚊帳の外だった、大切にされなかった、孤独だったという感情がトラウマになって苦しむ、ということも少なくありません。
この問題に取り組む団体があります。
病気の子どものきょうだいのためのNPOです。
兄弟の居場所作りの必要性を早くから抱き、大阪の総合病院できょうだいと一緒に活動する場を設けています。
”きょうだいさん”のためのイベント、仲間に出会い仲間を作る、題して”きょうだいの日”も実施しています。
”兄弟さんたちの気持ち”を広く知ってもらおうと啓蒙活動も。題して”たねまき活動”。
そして兄弟さんたちの支えになる冊子を発行しています。
☀「きょうだいさんのための本②おにいちゃん、おねえちゃん おとうと、いもうとを亡くしたあなたへ」
設立代表の清田悠代さんは、
印刷OK。そして、2種類どちらも増刷したタイミングで無料配布、喜んで!
とのこと。きょうだいさんに早くプレゼントしたくなりました。
お問い合わせフォームより、申し込めます。
詳しくは、
しぶたねホームページ http://sibtane.com
兄弟の置かれた状況には、身の置き場のなさ、アイデンティティや集団への所属意識の持ちにくさなどもあるかもしれません。
医療の進歩に伴う母親への支援と同様に、大切に取り掛からなければならない社会課題です。
しぶたねのような、病気の子どもの兄弟が孤立して一人で苦しまないような取り組み、これからますます必要になってきます。
広がれ!兄弟支援。