子どもが大切にされる平和な社会へ

〜夏休みを短縮しないで!〜

「過去42年間の統計で、1位が9月1日に計131人、続いて4月11日の99人」

何の数字でしょうか。

それぞれ時期は新学期のスタート時です。

「子どもの自殺」。

あってはならないこと、文字にすること自体恐ろしいことですが、これは現実のこと。

去年の今頃、「9月1日問題」と題したブログを書きました。

自分の経験も含め、考えうる理由も述べています。

夏休み中は自殺者数が少し下がるという統計があります。明らかに理由が学校生活の再開に関連していることがわかります。

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子どもにとって、学校に行くことが多大なプレッシャーになっている理由は、いじめであったり、担任との不和であったり、また、集団になじめない、皆と同じでなければならないというような重圧を感じていたりです。

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一方、親としては、子どもが『学校に行きたくない』と訴えた瞬間に、社会のレールから我が子が外れていると感じるもの。

親の不安を一番に察知するのは子ども。親を裏切ることはしたくない、と自分にプレッシャーをかけてしまいます。

仮に、もしそのまま不登校になったとしても、親は色々な道や生き方があるということを考え方の1つにして欲しいと思います。

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では社会は?

小~高校まで画一的な教育システムに乗っていることが当たり前で、それ以外は落ちこぼれである。

そのような空気が蔓延している社会が変わらないと、学校が理由による子どもの自殺は減らないと、断言できます。

子どもの幸福度世界2位のフィンランドなどを例に挙げて、外国の教育方法を時々紹介しています(→2017/7/12投稿フィンランドの教育)が、幼くして自ら命を絶つようなことが多発している国と違い、多様なタイプの学校があり、学校というものが画一的なもの、という常識そのものがありません。

学校に行かないことで苦しさがなくなるなら、別な学校や教育方法を探してもいいという考え方、選択肢を社会が保障しているといいます。

日本でも以前にくらべると、親は、行きたくなければ行かなくていい、という意識にちょっとずつ変わってきていると言います。

しかし、その受け皿が十分になければ、苦しむことになるのに変わりはありません。

さらに、最近の学校で気になることといえば、夏休みの短縮。

「脱ゆとり教育」を目指して2011年度から小学校で、12年度から中学校で実施された学習指導要領では、主要教科で1割ほど授業が増えました。

授業数を増やすため、2学期を8月最終週から始める小中学校が東京都で全体の半数近くになっているのはそのためです。

20年度から実施される学習指導要領では、小学校高学年では英語科の授業が始まることで、さらに年間35時間増加することになります。

教員たちの疲弊もますます悪化するでしょう。

子どもの学ぶ場は学校の授業だけではない。まとまった長期休暇で自然に親しむ体験や自由な時間も必要。

いえ、フィールドワークやアクティブラーニングという観点からも、机に向かって鉛筆を動かす時間の数倍の価値があります。

子どもの体験不足が指摘される昨今、行政がそこに思いが及ばないのが不思議でたまりません。

ホッとできる時間、のびのびと身体を動かす時間、自然と一体となる時間、ワクワクする時間が減れば、「9月1日問題」が助長されることは想像に難くない。

OECD加盟国の中で学力テストの順位が下がっていることを受け、体罰のように机に縛り付けるのは全くの逆効果。

対症療法より体質改善。

子どもは動きながら学びます。

生きるための基本的な技能や知識を体得していきます。

生きる喜びを見つけます。

「9月1日問題」対策にも効果大だと断言できます。

教育行政に改善を求めます。