フランスドキュメンタリー映画「ちいさな哲学者たち」に思うこと「その2」
「自由って何?」
先生の問いかけに、
・・ひとりでいられること
・・呼吸をして優しくなれること
・・監獄から出ること
「死ぬのは怖い?」
という問いかけにも、一人ひとりが少し考えてから答えます。
・・人が死ぬのは、楽しくないな。
「なぜ、楽しくない?」
・・なぜって、一人になりたくないから。そうなったら迷子になっちゃうよ。
さらに先生はこんな質問も。
「魂ってなんだろう?」
・・目に見えなくて、青いもの
先生の持ち出すテーマそのものがスバリ本質に迫る「哲学」。
そんな問いに、子どもたちはひるむことなく思うことを口にします。
日本の学校では、タブーとでもされているのかと思うほど、話題にさえならないようです。
道徳がそれに近いけれど、心の奥深く「そもそも」の部分を議論するのには程遠い。
日本でも流行りの「哲学カフェ」。
高校生の息子が参加していることに、
背伸びしちゃって!
などと思ったこと反省しきり。
4歳、5歳の子どもが、
“昨日、砂場で友達と「愛」と「死」について考えたよ”
とごく自然に言葉にする場面があります。
さらに、
“恋人たちは「ごめんさい」を言えないとダメ。謝れないと愛はおしまい”
5歳にしてどれほどの人間の営みを観察し、物事を深く感じる経験をしているのだろう。
小さな子どもとして括られる生活ではなく、一人の人間として尊重される暮らしがあるからなのだろうな、という印象です。
どんな境遇の子どもにも、一人を楽しむ時間が確保され、一人でじっくりと考える喜びが必要です。
そうすれば洞察力や思慮深さが養われるのだと感じました。
ある子どもの言葉が印象的です。
「自由って、ひとりでいられること」