プレイルームになかなか入らない子がいます。
入り口廊下の椅子に
ちょこん
と腰掛けて
点滴台につかまり
窓越しに
歌やお話を見ています。
お母さんも一緒です。
今日の活動は
西村直人さんとcooさんの
えほんうた・あそびうたライブ。
絵本と歌、遊びと歌、即興ソングを組み合わせたパフォーマンス
一緒に歌ったり、
バードコール、レインスティック、ウィンドチャイムなどの
打楽器類を配って共に演奏したり。
クイズ絵本「うしろにいるのだあれ」は
歌に乗せつつページをめくる、対話で作るお話。
紙芝居「ハロウィンのうた」は
リズム感あるストーリーに乗せてtrick or treatを合唱。
クライマックスは
「ねこのピート だいすきなよっつのボタン」
のお話をDJラッパー風”コール&レスポンス”で!
どんな時も前向きなねこのメッセージはとびきり明るい!
全員参加(もちろんお母さんも保育士さんも)の
ラップ掛け合いは面白すぎて
涙を吹き出す人(主に大人)続出。
プレイルームは笑いの渦でした。
ラップの掛け声「イエイ!」
の時の手首と指の角度を
高校生が教えてくれたりという一コマも。
🌷 🌷 🌷 🌷 🌷
さて冒頭の女の子。
はしゃぎ盛り上がるみんなの様子を
少し距離をおきながらだけど、
食い入るように見ていました。
面白さが廊下の外にまで伝わるころ、
にこにこ笑顔を浮かべ始めました。
少しずつリラックスしてきたのでしょう。
そんな柔らかい表情に促され
声掛けしてみようかな…
と一瞬そばへ足が向きました。
しかし、
待てよ
そばにいる保育士さんは
特に気にかけていない様子・・。
まず保育士さんに聞いてみます。
「あの場所が落ち着くんでしょうか」
「そうなんです。でもじわりじわりと入り口に近づいているんですよ。10cmくらいずつ・・。さっきはもっと奥のほうにいたんです」
なるほど、
保育士さんは
この子の
気持ちの変化に
寄り添いながら見守っているところでした。
楽しみ方はそれぞれ。
たくさんの病棟で活動していますが
廊下から・・、入り口の近くで・・
と
集団に入らず
一人で見る、というのを選ぶ子どもをよく見かけます。
その子の選んだ場所
その子の心地よいやり方で活動に参加します。
そのうちプレイルームの並んだ椅子に腰掛けて参加する姿もよく見かけ、嬉しくなるものです。
今日のこの子は奥の方から少しずつ移動しながら
最後は入り口まで来てくれました。
最初からプレイルームにいてずっと見ている参加の仕方あり、
積極的にクイズに答えたり楽器を奏でたりする参加の仕方あり。
しかし、
この女の子は
参加する場所の段階から自分で決めて
自分から少しずつみんなのそばへ。
これ、とっても主体的な方法で自分だけの世界を広げているってこと。
この女の子の存在が
SHJの活動に、
じわりじわりと
・・参加してみようかな・・、
と身も心も惹きつける力があること、
気持ちの変化をもたらすことを
改めて教えてくれました。
賑やかなプレイルームの傍らに咲く
小さな花を見つけて
そっと笑い合った瞬間は
大切な宝物。
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