つれづれにっき〜スマイリングな日々〜

= デジタル化のなかのアナログ =

漫画やファンタジーの世界だけの

単なる憧れで、

それはそれで空想の中で楽しめれば良くて

現実に起こるはずなどあり得ないと思っていたことが

デジタル化のなかで

ほんの十数年で当たり前になったものの代表が携帯電話。

このデジタル化の流れは

当然のことのようにコロナ禍で

行われるズームをはじめとしたオンライン上のやり取りを普及させました。

難しそう、と抵抗を感じていた人たちの多くも

今ではこれまた当たり前に使うようになりました。

密を避けるために仕方ないとしても

どこか、実感のないペラっとした印象が

いまだに拭えません。

互いの顔が見えても、

その場を共有しているという感覚がなく

一人ひとりが別々の箱に入っていて

平面上で繋がっている感じ。

輪になって語り合うというのとは全く違う。

さらに

ひとりが話している間

話が終わるのをしっかり確かめてから別の人が話す、

といったやりとりになり

声がかぶることなく

単なる伝達のし合いになるような気もしています。

議論が深まらないと感じるのはこの

順番に話す、というスタイルと

目の前の画面に大勢映った中のどの人が話した?

などとまごまごしていると

入り込む隙間すら感じられなくなったり。

だからズーム会議の後味はどこか寂しく

余韻も虚しく感じます。

*****

今大学ではほとんどがオンライン授業となっていますが、

  ”集中できない”

  ”緊張感が持てず身が入らない”

という声を多く聞きます。

また、ある音楽家は

ライブハウスには思わぬお客さんや

知り合いが連れてきた人など

新鮮な出会いや人間関係ができ

新しい企画に繋がったりすることがある。

動画配信やオンラインライブでは

得られないイベントの奥行きがあると。

*****

体温という温もりを持つ互いの身体で

同じ空間で同じ空気を吸い同じ温度を感じ

空気を震わせ共鳴し合う

といったスキンシップのような触れ合いが

対話の醍醐味。

決められた時間内で退出となる画面上では

今ある目の前の課題を解決するためだけ

で終わってしまい、

遊びの空間が不在となり効率的のように見えて

そこには

空気を読んだり行間を感じたり、終了後の雑談もほとんどなく

リアルな関わりややりとりが生む

クリエイティブさはかけらもないような

気がします。

*****

危機にある時にこそその力が発揮されるIT。

しかし

そこに期待しすぎることで

人間にとって真に大切なものが

失われてしまうように感じます。

ネットワーク上の関わり合いは

連続のやり取りというより

単発の会話が線状にぽつんぽつんと乗っかっているイメージ。

この関係性はまさにデジタルという言葉の意味どおりです。

数値によって表現される飛び飛びの値がデジタル。

用さえ済めば

さっと完了することの連続は

持続可能な発展には大きな弊害になるとさえ

感じます。

これに対して

時間や距離、音の大きさや光の明るさなどの連続的な量がアナログ

古いなあ、と思われるかもしれませんが

アナログへの回帰とまでは言わなくても

アナログの部分も大切にすることが

人間の温もりや深みある

ほんらいの人と人との繋がりや

互いにリアルな顔の見えるコミュニティの形成に

欠かせないような気がします。

せっかくのITの進歩を活かすためにも

双方を引き立たせるためにも

バランスが大切です。

Smiling Hospital Japan Official Website

Smiling Hospital Japan Facebook

「学びサポート」ホームページ

「学びサポート」Facebook

松本恵里Facebook