ある重度障がいの少年が教えてくれた、どんな状態だって心は自由だってこと
彼の内面に広がる世界はどんなに広くて自由なんだろう。
内面の世界を言葉で表現した彼、
それをアートの力により作品として世に出すお手伝いをしたSHJアーティスト。
彼を真ん中にしたコラボレーションが作品として公開となりました。
このブログを書き終え、ひと月が経ちましたが公開版が完成した11月10日に、
改めて、作品までを追記しました。
”青いカプセルの巻”
「病気の自分、
障がい者の自分じゃなく
病気や障がいは自分の部分で
病気や障がいを含めた「自分自身」の偉大さを発見させてくれるのがアートだったり、
表現活動だったり。
アートは、自分の内面深く眠っていた創造というエネルギーを目覚めさせ、
心を成長させてくれる。
それは、医者が病気を治すみたいに
アートが、よりよく生きるための主体性を自分の中に育ませるもの」
と前回のブログで綴った。
折しも
最近、それを実感する出来事があり
深く感動したものだから
今回紹介したいと思う。
内的世界は果てしなく自由
病いと闘っていたり障がいがあったりすると
精神的肉体的に、不自由ばかりに思えるけど
複雑で煩わしく忙しい世間という外界から影響されず
「自分」と対話し
「自分」を追求する時間が与えられたと
考えることができるかもしれない。
内的な世界は果てしなく自由だから。
自分を真ん中に置き
表現したいという気持ちが湧き上がり
自由に表現活動に没頭するうち、
まるで毎日が創造的な冒険の旅になる。
実際、そんな少年がいる。
今回のテーマはここからだ。
言葉を発せずとも内なる声を表現する
彼は重度の障がいの為に
生まれた時から医療的ケアを必要とし
外出も登校もままならない生活を送っている。
スマイリングホスピタルジャパン「在宅訪問学習支援学びサポート」に参加する彼は
学習支援員の作成した文字盤を使って
日々学習したり、コミュニケーションをとったりしている。
言葉を発することができない中、
この文字盤を使えばどんなことも周りに伝えることができる。
そして
一文字ひともじを文字盤の
「あ・い・う・え・お」の五十音、
そして
「1・2・3・4・5・・・」の数字を指差し、
それをヘルパーや家族が書き留めていくという作業で、
日記をつけることもできる。
創造という名の冒険の旅
彼はこれまで大学ノート何冊にもわたり
旅や冒険のストーリーを書いてきた。
ヘルパーさんとともに
二人三脚の「創造という名の冒険の旅」を続けているのだ。
そんな中、学びサポート音楽担当の支援員のアイデアは
彼や彼の家族の胸を躍らせた。
彼が一番気に入っているストーリーを選び
プロのナレーションや音楽、背景をつけて
動画に仕立て上げようというのだ。
ストーリーに息を吹き込む
SHJアーティスト仲間の声優たちがナレーションを。
音楽家である支援員はこのナレーションに劇中曲を作り、効果音とともに挿入。
ここへ、イラストレーターがいくつかの場面の絵を作成。
彼がヘルパーさんと一緒に描いた絵や
彼のお姉さんがウェブデザインした挿絵も組み合わせる。
これらを一連の動画に仕立てるのもアーティスト。
仕上がったところで
病院へのオンライン訪問で集まった
シンガーやパーカッショニストを交えて
音楽支援員の作詞作曲による
エピローグ曲を賑やかに歌い演奏したものを加え締めくくった。
いよいよ1つの作品の完成だ。
😀 😁 ☺️
満面の笑顔や照れくさそうにはにかむ表情で
自分の作品を見入った後、
文字盤を使って
「ありがとうございます」
と綴る彼のビデオメッセージが
支援員に送られてきた。
心は果てしなく自由
彼の内面に広がる世界はどれほど広く自由なんだろう。
その世界の中で一緒に冒険したくなる。
心の自由を謳歌し、これからも思う存分表現活動をしていってほしいと願う。
そのきっかけづくりとしての使命が
私たちの活動の中で大きな位置を占めていることは間違いない。
内面の世界を言葉にし
アートの力により作品として世に出す。
作家としての彼のデビュー作品は
動画として鑑賞され
紙芝居となって読み継がれていく。
メイキングに際し・・・
支援員の呼びかけに深く共感したたくさんのアーティストが制作に参加し、
その様子をみたり、たまにちゃちゃ入れたりしながら、私も幸せ気分を味わった。
彼が運んでくれた、私たちみんなにとっての大きな学びは
どんな状態だって心は自由だってこと。
そこへ必要な支援があれば
表現することだって、ものづくりだってできるってこと。
彼と彼の作品を真ん中に、
きょうだい
ヘルパー
学習支援員
音楽担当支援員
声優
イラストレーター
音楽家たち
たくさんの共感のもと
心をひとつに完成することができ、達成感と喜び、
何より彼への感謝の気持ちをひしひしと味わっている。
今後も別の作品を手掛けることになるだろう。
次なる作品が楽しみだ。
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