教育現場におけるインクルージョンの始まり
国連が日本政府に対し勧告した
障害児教育を健常児教育と統合せよ、
についてさらに思うことを書いています。
1994年(平成6年)にサマランカで開かれた
「特別なニーズ教育に関する世界会議」で
障害の有無に関わらず、ともに学ぶ仕組み
「インクルージブ教育」
が打ち出され(サマランカ宣言)、
「個人の差異や困難によらず、
すベての子どもを包含する教育システム」に向けて、
地域の通常の小・中学校等の在り方を
インクルーシブ教育(inclusive education)
を原則にすることが確認されました。
障がいがある子どもはもちろんのこと、
すべての子どもに関する特別な教育的ニーズを包含できるような
学校や教育の在り方を提起したのです。
→サマランカ宣言(障害保険福祉研究情報システムより)
ここから教育現場において
インクルージョンやノーマライゼーションの流れが
始まったと言っていいかもしれません。
インクルージョンの解釈
インクルージブ教育の捉え方は
国や文化や習慣により違うのかもしれません。
「日本における『障害者権利条約』の解釈は
社会の側が全てを受け入れることの意味で使われており、
社会が障害者を包み込んで受け入れるイメージで、
権利の主体のイメージが損なわれている、
という指摘や議論がある」
とは、
障害者の権利条約とこれからのインクルーシブ教育 東京未来大学研究紀要2017 vol.7
にある通りです。
日本がインクルージブ教育の主体を曖昧にしているとしたら
インクルージョンやノーマライゼーションの正しい解釈を
学び直さなければなりません。
国連の指摘
また、
文部科学省が2012年に出した報告
共生社会の形成に向けたインクルージブ教育システム構築のための特別支援教育の推進
によれば、
「共生社会の形成に向けて、
障害者権利条約(2006年採択)に基づく
インクルーシブ教育システムの理念が重要であり、
その構築のため、特別支援教育を着実に進めていく必要があると考える」
とあり、国連は
〜インクルーシブ教育システムの理念が重要と謳いながらも
特別支援教育を着実に進めていく必要がある〜
としている日本の姿勢に
矛盾と誤認、逆行が見られるまま現在に至ることから
日本の根本的なインクルージョンの意味のとりちがいを決定的とし
今回の指摘に至ったのでは?と感じます。
学校とは?インクルージョンとは?
インクルージョンは日本語にすると共生。
共生とは
誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、
人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会
(共生社会の形成に向けたインクルージブ教育システム構築のための特別支援教育の推進)
のはず。
前回、
「障害児教育と健常児教育と統合する」以前に
学校とは?に立ち返る必要がある
と述べましたが、
さらに
「障害児教育と健常児教育と統合する」以前に
多様性、そして人権と当事者性、という観点で
インクルージョンの意味と理念を学び直し、
国際的な水準に追い付くことが
日本の取り組むべき重大な課題だと思います。
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