子どもが大切にされる平和な社会へ

特別支援教育廃止?を考える前に・・・

そもそも・・・

国連の日本への勧告「特別支援教育の廃止」は可能なのか、

について前回綴りました。

現在に至る日本の特別支援教育の成り立ちを通して、

また、

インクルージブ教育を意識したはずの

副籍制度

が機能していないことを通して、

「特別支援教育の廃止」が一筋縄ではいかないこと、

さらにはインクルージブ教育の実施が

困難であることを書きました。

そもそも、現在の日本の学校施設が

障がいのある子どもが過ごせるように作られているか?

カリキュラムは?

と専門家は問題提起しています。

激しく同感しますが

そもそものそもそもを言わせてもらうと

私としては

この議論の前に、

学校とは何?

にたちかえって

学校は何をするところ?

子どもたちにどうなってほしいのか?

についての共通認識を確認する作業が必要なのではないかと

思うのです。

そもそも学校の在り方とは?

これほど普通校で不登校の子どもが多い中、

学校のあり方そのものが問われているはず。

仮に、孫たちが

「学校つまらない。行きたくない」

と言ったとしたら

「無理していかなくてもいいんじゃない?」

とつい口を滑らせそう。

子どもにとっての大事な成長の時間、

いちにちの大半を過ごす学校が

つまらないけど仕方ないから行く場所だとしたら

勿体なすぎる。

スポンジのようにいろんなことを吸収して大きくなっていく

キラキラ輝いていてほしい子どもが

覇気のない、諦めたような時間の過ごし方をして欲しくない。

しかし、

学校には集団のなかで身につけられる

貴重な学びがたくさんあることは事実。

算数や国語じゃない。

点数の競争でもない。

まさしく今議論されていること。

当たり前に多様性の中で共生し

他人の立場に立てる

思いやりのある人になること

私はそう思います。

人の痛みをわかり社会を良くしていこうとする心を育てること。

だからこそ、インクルージブな教育の場が必要なのだと思います。

そもそもagain

今の普通学校が

知識偏重で子どもを点数で評価する場所で

多様性を暗に封じ込めてしまってはいないでしょうか。

事務作業に追われ

子供に向き合う時間が十分に取れず

疲弊し身体を壊してしまう教員が続出しているのは周知のこと。

そのために教員志望の学生が激減している事実。

まずはこれらの現実をなんとかしてからの議論かと思います。

多様性とは

普通校の中にも当然多様性があります。

勉強においては

数字が苦手な子、

読み書きに困難がある子・・・。

体育が得意な子、苦痛に思う子。

性格だっていろいろだ。

自分の気持ちをなかなか言えない子、

活発な子、

1人でいるのが好きな子・・・。

さらに家庭環境だって多様だ。

親が外国にルーツのある子、

きょうだいが難病や障がいがある子、

ヤングケアラーも実は少なくない。

性的なマイノリティーも。

埋もれてしまいそうな、

ないことにされてしまうような

困難を抱える子どもは少なくないはず。

そんな現実を見ずに

普通学校と特別支援学校を一緒にして

インクルージブな教育を!

と叫ぶのは飛んだお門違いだと言いたくなります。

インクルージョンって?

ユネスコの「インクルージョンへのガイドライン(2005)」

では、

インクルーシブ教育は、

「多様な子どもたち(排除されやすい子どもたちを含む)の

教育を受ける権利を地域の学校で保障するために、

教育システムそのものを改革していくプロセス」

だと謳っています。

学校に通う子どもたちは多様であるということが前提で。

普通校でそれができているの??

いっぽう、

文部科学省が2012年に出した報告

「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」

においては、

インクルーシブ教育システムでは

可能な限り障がいのある子どもとない子どもが

共に学ぶことを目指すべき、とされています。

また、「共生社会」とは、

「これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、

積極的に参加・貢献していくことができる社会」

と書かれています。

インクルージブ教育を実現するための施策として

障がいに対する合理的配慮や環境整備を、という課題以前に

障がいがあるかないか、という視点だけではなく

埋もれてしまっている多様性に目を向け、

学校そのもの存在の意味、

あり方を

洗い直す必要があるのではないかと思っています。

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