２類から５類へ
スマイリングホスピタルジャパンの
「病棟や施設にアートを届ける活動」
は目下、オンラインにて行っています。
5月8日には感染症法上の位置付けが
季節性インフルエンザなどと同様の
「５類」に移行されることになりましたが
これを受けてどの程度
ボランティア活動に影響がもたらされるかは未知です。
特に小児病棟は
感染に関しては最もデリケートな場所だと言えますから、
なおのこと、見通しが持てません。
医療現場では
子どもの療養環境や成長、楽しみ
といった観点から
現場での活動再開に向けて
前向きな議論が行われていることを願います。
とは言え、慎重に進めるべきなのは言うまでもないないことで
「感染対策制限が段階的に緩んでいく中にあっても
ボランティア活動としてはオンラインが続く見通し」
というある活動先病院の見解もあります。
これはどこの病院、施設にとっても
一致した考え方なのだろうと察します。
それなら質の高いオンライン活動を！
さてオンラインでアートを届ける活動は
2021年6月に開始しましたから
1年半を超える実績となりました。
スタッフもアーティストも
zoom操作や機材の扱いが
だいぶ板についてきて、
それはそれは軽やか。
活動内容は
・音楽
・お話
・バルーンや水引、描画などの制作
・マジック
・ジャグリング
など。
リクエストパーティー
先日は
「リクエストパーティー」
というタイトルの活動でした。
子どもたちからあらかじめ好きな曲を募り、
当日弾き語りする、というもの。
画面の向こうでは子どもたちが一緒に歌ったり
手拍子をしたり
楽器を奏でたりしています。
これは
広島地区登録アーティスト
ピアニスト湯浅玲子さんの活動。
MCのスマホジちゃん（声：声優・平沢ゆかり）と
エビフライピー子（声：声優・冨田泰代）が
リクエスト曲を読み上げ
「誰がリクエストしてくれたのかな？」
と画面に並ぶ面々に話しかけます。
「はーい」
「◯◯病室の△△ちゃんです！」
という答えが返ってくると
ぴー子がすかさず
「△△ちゃん、ありがとう！」
と返しアーティストにバトンを渡します。
今回はリクエスト曲の中に
「笑点」
というのがあり、
まずは笑点のテーマ曲をピアニストが演奏し、
その後、
スマホジとピー子が
座布団あり着物姿のスマホジちゃんありの演出で
大喜利を２つ披露。
「座布団1枚〜！」
「座布団没収〜！」
などと盛り上げて
「笑点」テーマソングでエンディング。
と、工夫を凝らした
ピアニストと声優とのコラボパーフォーマンスでした。
リクエストの中には
「ジブリの曲」
というのがあり
数あるジブリソングの中から当日選んでもらおうと
ピアニスト湯浅さんがいくつかのアニメの主人公を
一枚の絵にしました（イラストレーターでもあるのかと思う出来栄え！）。
画面の向こうから選んでもらい
指を指しながら曲名を言ってもらうという
現場の状況を浮かべながらの準備は
ため息が出るほどの完璧さです。
さすがプロフェッショナル！
いつの間に準備したのか、打ち合わせしたのか。
と思わせるもそこは流石、プロのアーティスト。
小道具はそれぞれの判断で作成し持ち寄り、
当日開始１時間前から機材のセッティングと
打ち合わせで十分。
素人だったら何週間もかかりそうなプログラムです。
このご時世ですから
当然、感染者が出た、ということになれば
収束も拡大も先が見えず
当日の実施も前日午後にやっと決定される、
という状況です。
そのような中、
予定しているからには用意は当然、という
アーティスト、スタッフの柔軟な判断と準備
そして機転の効いたプログラム編成には
ただただ脱帽します。
プロの心意気！
今回のリクエストパーティーは
ラジオ番組さながらの設定にし
リクエスト曲をハガキに書いて読み上げたり
ON AIRの札とスタジオの雰囲気を高めるために卓上のマイクを設置したり
といった凝りぶりです。
アーティスト自身が楽しんでいますから
そのままその生き生きとした空気が伝わり
あっという間に一体感が生まれます。
プロにとってはおよそ満足とは言えない
にわかスタジオという環境の中、
このような化学反応は毎回起こります。
オンラインという制約の中で
活動のバリエーションがこれほど広がっているのは
多種多様なプロのアーティストが
子どもたちの楽しみのためにと
プロの技に創意工夫をプラスした
SHJならではの活動ゆえ。
団体を生んだ者として大きな自慢です。
私はスタジオの鍵を開けてアーティストたちを待ち
コーヒーをいれ、
準備中も活動中も
彼らの様子を見ながら目を細めているばかり。
遠方から子どもたち同様zoomで落ち合うアーティストも
離れた場所で準備に余念がありません。
素人が
「何か手伝う？」などと
下手に手を出すなんて到底できない
プロフェッショナルな雰囲気は
心地よい緊張感と明るいアーティストたちの声の場に
彼らへの敬愛の念があるからこそ感じるのだと
そう思います。
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