子どもが大切にされる平和な社会へ

小児医療の成熟へ「思春期ルーム」👦👧

我が意を得たり!

先日新聞の1面に掲載された

「『思春期ルーム』整備中」

という記事を読んで大きくうなずいた。

「入院中も10代らしく」

というタイトルに深く共感したのだ。

現在の小児病棟は10代の子どもの生活に

必ずしも見合ったものではない、ということは

私が院内学級にいた頃と

そしてその後

小児病棟でのアート活動を始めてからずっと

思っていたこと。

小児病棟のプレイルーム

小児病棟にはプレイルームがあり

治療などの合間におもちゃなどで遊べるような環境が整っている。

遊具や絵本で遊んだり、画用紙やクレヨンで絵を描いたり

楽器を鳴らしたりすることができる。

保育士が折々イベントを企画し

病院にいても季節感を感じられるよう

さまざまな行事もここで行われる。

スマイリングホスピタルジャパンの参加型アートに参加するために

体調が比較的安定している子どもたちが集まるのもこのプレイルーム。

しかし

椅子やテーブルは小さな子供用のものだから

小学中学年以下の子どもが対象、というイメージだ。

本棚にある多くが絵本で

棚に置いてある遊具も積み木や大きめのレゴ、知育玩具といった感じ。

その中にボードゲームやトランプ、UNOなど

大きな子が遊べるものを見つけるとホッとする。

思春期ルーム開設の動き

このように小児病棟にはプレイルームはあるが

そこは乳幼児から比較的小さな子どもたち向け。

思春期の患者が寛げるようなスペースは

ほとんどの病院で見かけることはない。

だから今回のニュースを見つけて心踊るほど嬉しかった。

小児って?

小児病棟に入院する子どもの年齢は

一般的には、15歳(中学3年生)まで

と言われている。

しかし

思春期までは、成長段階に応じた対応が必要だったり、

小児特有の疾患が少なくないため

18歳の思春期ごろまでは

小児科で診療できるようにしている

と、ある医師に聞いたことがある。

ある病院の小児病棟での活動に

30歳の患者さんなどAYA世代の方が参加したこともある。

AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、

思春期(15歳~)から30歳代までの世代で

小児病棟にAYA世代が入院していることは自明のことだ。 

それなのに、

乳幼児、小学中学年までを対象にした(と考えられる)部屋は

当たり前に存在するのに

思春期以上の患者が好きなことをしたり

仲間と語りあったり

ベッド以外で寛ぐような場所がないことが

小児病棟としてスタンダードであることに

違和感を感じてきた。

どの子も自分らしく

この思春期ルーム開設を進めている

群馬大学小児科の滝沢琢己教授はこう話す。

「自分らしさを大切にしながら治療できる環境をつくりたい」

(東京新聞12月14日付夕刊より)

記事には2019年に島根大学病院に

中学生以上が24時間利用できる部屋が開設されたと書かれていて

他にも現在、茨城県立こども病院など数カ所あるそうだ。

滝沢教授のもとには複数の病院から問い合わせが来ているというから

さらに増えそう。

病棟での出会いは宝物

ベッド上で一人で治療を受けるだけではなく

小さな子どもも思春期以上の患者も

共に闘病生活を送る仲間との出会いの場があることで

ひとりじゃない、と思えるかもしれない。

孤立を防ぐことができる。

偶然同じ時期に同じ場所に入院して治療を受けることになった

病棟での出会いは闘病への勇気をくれる。

分かり合える同志として生涯の宝物になるかもしれない。

それを得られるか得られないかで

闘病中はもちろん、

その後の人生も大きく違ってくると

経験を通して痛感する。

自分の長期入院の頃を思い出す。

その頃の闘病仲間のうち、

団体の活動に参加している人もいる。

共感が根底にある者同志の結びつきは

しばらく会えなくても

遠く離れてしまっても

心の中ではいつも一緒。

入院中に

孤立してしまわないよう

自分らしくいられるよう

思春期ルームの開設が

全国に広がりますように!

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