つれづれにっき〜スマイリングな日々〜

〜しあわせの経済フォーラムへ〜

・・・グローバリズムからローカリズムへ・・・

~あなたは豊かさをどんな物差しで測りますか~

と題して、7/10ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ監督*のドキュメンタリー映画「幸せの経済学」について感想を書きました。

(→7/10投稿「幸せの経済学」

昨日は明治学院大学にて、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ氏とともに「いよいよローカルの時代」を著した辻信一氏*始め、そうそうたる登壇者が揃う

「しあわせの経済」フォーラム2018(主催:ローカル・フューチャーズ/「しあわせの経済」フォーラム2018 in 東京実行委員会)

がありました。

プログラム進行と同時に、ローカライゼーションの考え方をもとに活動するパルシステム、国内、世界中からのファーム、日本の種子を守る活動をする団体、社会問題を配給する会社、再生可能エネルギーを広める団体などが集うマルシェが開催されました。

楽しみながら「しあわせへの経済」を目指してローカルで事業を運営する魅力的な人たちで大にぎわいでした。

・・「しあわせの経済」・・

グローバリゼーションの時代から自立的経済 ローカリゼーションへ。

「グローバル経済の腕はあまりにも長く、手の先で何をしているかわからない」とはホッジ氏の言葉。

先住民の文化を壊す多国籍企業の行為をピタリとわかりやすく表現しています。

貨幣経済の台頭によりお金さえあれば何でも手に入るという幻想を持ってしまったグローバリズムの警告を告げています。

しかし、グローバル社会の無限の経済成長は有り得ないことに気づき始めた人たちがすでに動き始めています。

健全で持続可能、自らの行動を自ら決める本当の幸せを求めて。

本当の幸せの見つけかた。

それはローカリズムによる経済体系の縮小。

ローカル金融、地産地消、自給自足など地域で完成させること。

それが顔の見える人間関係や流通システムを生みます。

そして再生可能ビジネスが生まれる。

株式会社という形が全てではなく、ローカルでシンプルなビジネス、

大きなスケールより小さなスケールをたくさんつくり互いに繋がり合う社会。

その繋がりと共生の思想は

土、水、すべての自然環境との繋がりです。

登壇者の誰もがホッジ氏の”ビッグピクチャー”の考え方をわかりやすく伝えていました。

それは、理論的な分析や目の前のことに翻弄されるのではなく、

今まで当たり前に”前提”とされてきたことを立ち止まって本当に?と広い視野に立って考える。消費者文化の中で、本物を見分ける力を麻痺させられないように、といったメッセージでした。

講演では専門家によるグローバリゼーションの現状と限界をみんなで確認。その上に立って、希望を持って明るい未来は作っていけるのだと、誰もが結んでいました。

人間は生れながら社会の健全さを引き起こし保つ権利がある。

そんな市民主導のローカルムーブメントがうまれ、相互の繋がりが、世界中のあちこちで発生しています。

一人ひとりが本当のしあわせをつかむ時代がやってくる、そんな気配です。

*ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ (Helena Noberg-Hodge)

スウェーデン生まれ。Local Futures(ローカル・ヒューチャーズ)創設者。グローバリゼーションに警笛を鳴らし、ローカリゼーション運動を世界中で展開するオピニオンリーダー。1975年、グローバル化により失われつつあるインド・ラダックの文化や環境を保全するプロジェクトに取り組む。著書『ラダックー懐かしい未来(Ancient Futures)』は、40の言語に翻訳され、高い評価を得た。2010年にはドキュメンタリー映画『幸せの経済学』を監督。各国で上映運動が行われている。(同氏著『ローカル・ヒューチャー』より抜粋)

*辻信一

文化人類学者、明治学院大学国際学部教員。環境活動家。「ナマケモノ倶楽部」世話人。「ゆっくり小学校」校長。著書に『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)など多数。(同氏監訳「ローカル・ヒューチャー」より抜粋)