SHJのこと

〜忘れられないコンサート〜

活動を開始して半年もしないころ。

プレイルームではいつものように賑やかな音楽の活動がありました。

楽しい時間はすぐに過ぎちゃう。

はしゃぐ子どもたち、

楽器をいつまでも触って部屋に戻ろうとしない子、

楽譜を揃えてしまおうとするアーティストにあれやこれやと質問する子。

余韻の中、後ろ髪をひかれる思いで片付けをしている間、

当時アシストをしていた私に、少し寂し気な表情をした保育士さんが話しかけました。

「○○ちゃんの個室に家族が全員集まっているんです。残された時間、好きな音楽を聞かせてあげたいんです。

お願いできますか」

教員時代を思い出しました。

→2017/9/6投稿「〜SHJヒストリー4 初めて担任したTくんは心の先生〜

「もちろんです。ぜひ伺わせてください」

院内学級の先生たちと、楽しいことのシャワーで・・。

とあれこれ工夫したことが団体設立のきっかけでした。

いろんな活動がある中、身体が動かせない状態なら、

大好きな歌をプレゼントしたい。

アニメソングやJポップ、それからそれから。

お母さんと一緒によく聴くというジブリやディズニーの曲・・。

リクエストをいただいて、

奏で歌うアーティスト。

その傍らでは涙をにじませながら、でもとても安らいだ表情のご家族がいます。

そんなことがあるたび、

なぜ?

こんなに小さな子が!

という不条理に胸が痛み、怒りが込み上げます。

「命の尊厳」

それは生きた長さに関係ない。

その子の存在は永遠。

痛みから解放され、魂は自由になる。だけど、

今、この時は、

時間よ止まれ!

と願う一番大切な時間。

忘れられない大切なこの瞬間に、

関われるありがたさ。

必要としてくれている人がいる実感。

これは子どもにとっても家族にとっても

そしてスマイリングホスピタルジャパンのアーティスト、アシスタントにとっても、

「忘れられないコンサート」

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