障がいのある兄弟姉妹を持つ人を
「きょうだい」とひらがな表記します。
新聞等でも「きょうだい」の生きづらさが取り上げられるようになり、
その際もひらがな表記されています。
しかし実は障がい児・者の「きょうだい」に限らず、
普通に「きょうだい」という書き方をすることも。
一般的には兄弟、兄妹、姉妹、姉弟、
すべて「きょうだい」と読み、
「兄弟」が代表的な漢字表記でしたが
ジェンダーの考え方から
「きょうだい」という書き方が登場したと
どこかで読んだことがあります。
そして
冒頭で紹介した障がい児・者の兄弟姉妹を「きょうだい」
と表記するようになったのは
30年ほど前からだそう。
研究者が使いはじめ
インターネットの発達により、
まずはSNSにより「きょうだい児」の間に浸透していったようです。
以前、映画「ワンダー君は太陽」
を紹介したことがあります。
→2018/6/20投稿〜きょうだいの気持ち〜
遺伝子疾患により変形した顔で生まれ
困難にぶつかりながらも学校へ通い、
懸命に生きるオギーが主人公。
彼を中心に描きながらも
いつも両親の心配と関心の的であるオギーの陰で
寂しさを抱えるお姉ちゃんのヴィアの
感情の動きが描写されているのが
とても印象に残っています。
「お母さん、お父さんに自分もかまって欲しい」
「だけど、自分は健康。我慢しなくちゃ」
「両親にこれ以上、大変な思いをさせないようにしっかりしなきゃ」
「でもめちゃくちゃ寂しい」
こんな思いを抱きながら日々、
気持ちを押し込めながら生活するきょうだいはたくさんいます。
また、そのような時期が過ぎた後も、
自分は蚊帳の外だった、大切にされなかった、
孤独だったという感情がトラウマになって苦しむ、
ということも少なくないようです。
こういった表面化しづらかった課題に社会が気づき
支援団体があちこちで立ち上がり
専門家の間でも研究が進み
様々な取り組みが新聞等で取り上げられるようになりました。
最近、日本でも
「きょうだい」を主人公にした映画が
公開されました。
「ふたり~あなたという光~」。
きょうだいとしての居場所が見つからず
家族や友達にも悩みを話せない、
また
交際や結婚などの時
相手に理解を求める困難さ
などもテーマに
自主上映の形での公開です。
→「ふたり〜あなたという光〜」
支援を必要とする人たちの陰で
人知れず苦しむ人に
だんだんと光が当てられるようになってきたことは今回、
きょうだいが主人公であるこの映画の公開が物語っています。
さて、手前味噌ですが
最近開設した
SHJアート&学びサポートセンターに
「きょうだい」がアルバイトに来てくれることになりました。
日々の体験を生かして
特別支援の専門家を目指し学生生活を送る「きょうだい」です。
ここでたくさんの気づきを得て
社会に出て行って欲しいなと思います。
きょうだいの苦しみを作っている
偏見というおおもとの問題点を解決するために
まず障がいのある人が
車椅子に乗って
ストレッチャーに乗って
当たり前に闊歩できる社会を作ることは
私たちの取り組みの大きな目的の一つ。
そして
「きょうだい」が「きょうだい」だからこそ
活躍できる社会になっていって欲しいと
強く願います。
*きょうだいについて綴ったその他のブログ
2018/6/10投稿~きょうだいの日誕生!~
2018/6/19投稿~入院児のきょうだい預かり~
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