子どもが大切にされる平和な社会へ

いのちの声🌿

聴こえない音

「しんしんと雪が降るって

しんしんってどんな音?

音がするの?」

とある日外来にきた子どもの質問に

方波見医師はこう答えた。

「音は出ていると思う。

人間に聴こえない音は

他にもたくさんあるんだよ。

きみが良い耳を持つちっちゃな虫だったら

雪が奏でる音が聞こえると思うよ。

虫なら別の言い方をするかもね。

音って不思議だね」

「医療とは何か」藤原書店(2024)より。

方波見医師の生き方に傾倒し続けて

「医療とは何か」を著した

方波見康雄医師は

サブタイトルとして

〜音・科学そして他者性〜

と謳い

さらに表紙に

「医療とは、

病を患う人の

いのちの声を聴くことである」

と添えている。

方波見医師の

他者への共感をもって

全人医療を具現化した生き方に傾倒し続け

診療日記のような

短編集になった分厚い本を

ゆっくりと一話いち話、

大切に読んでいる。

お守りのような本

今、本書の中の

「ちいさな音」

という章の

「子どものこころで」

という節を読んでいる。

この本を読み始めてから

かれこれひと月になるのは

読むのが遅い、というのが一番の理由だが

数冊を並行して読む癖のせい

ということもある。

また

机上に置いて

ホッとしたい時に手に取りたいから

本棚にしまわずに手元に置いて

読み進めたり

もう一度付箋をしたところに戻ったりしたい

そんな本だから

というのもある。

偉大でありながら

謙虚な生き方をしている人の文章は

心落ち着かせてくれる。

 - 実るほど 首を垂れる 稲穂かな –

詩人みたいな子どもの感性

さて、

「しんしんと雪は音を出すの?」

という子どもの素直な質問から始まる

「子どものこころで」。

教員時代を通して

孫との対話を通して

また

活動を通して

子どもには詩人みたいな感性があると実感する。

そんな機会に恵まれて幸せだと思う。

方波見医師もこの章で

「大人もむかしは子どもだった。

子ども文化を逆輸入する寛容さがあってもいい」

と話す。

子どもの感性に触発されて作ったという

方波見医師作の詩を

本書から一部抜粋したい。

 春の小川のせせらぎ 雨の音

 風にそよぐ葉ずれ 小鳥のさえずり

 春には春の 夏には夏の

 秋には秋の 冬には冬の

 音がある

 野にも山にも海にも

 空も宇宙も音がある

 人間には聴こえない

 虫には聴こえる

 花だけに聴こえる音もある

 人間の心臓 人間のからだが

 大自然に広がる音にリズムを合わせ

 協奏曲や交響曲を

 共演したり ただ耳を澄ませたり

 音 いのち 生きるってすばらしい

子どものような感性で患者を診る

内科家庭医の仕事は

音にはじまり音で終わるという。

いのちには

38億年まえの生命誕生のときから

一つの心音、一つの呼吸音にも

生命と宇宙の歴史や原始の海の潮騒が

刻み込まれている。

「患者さんとの対話のときも

聴診器を当てるときも

聴く側に、

子どものような感性が大切になる」

と、この節は締め括られている。

生きるってすばらしい

夏、必ず行く

玉川上水での孫との虫採り。

3年生になったこの夏も

やっぱり来るという。

私が一番子どもに戻れる

大切な時間だ。

彼は虫博士だから

いろんな自然の営みを教えてくれる。

そんな時は私の方が子どもに戻って

彼のうんちくを感心しながら聴く。

自然の中で子どもと一緒に居る・・・。

そんな時こそ

からだが

自然とリズムを合わせ

共演したり ただ耳を澄ませたり

自然の不思議に身を任せたり・・・。

夢中になった時間の後は

しみじみ

生きるってすばらしい

と感じる。

子どもの感性と

自然が語りかけるものが重なって

愛おしく

涙さえ溢れてくる。

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