高次脳機能障害とは
高次脳機能とは
日常生活をこなすための
相互に連絡し合う脳の各部の働き。
だから高次脳機能障害は
脳のどこかが傷つくことで
これまで当たり前にできていたことができなくなること
と言えます。
症状は個々に違いますが
例えば
話を聞いているようでその内容を理解していない。
記憶に困難がある。
集中できない。
怒りの行動が出やすい。
といったことが挙げられます。
原因は脳梗塞などの脳の病気や
交通事故や転倒事故などで起こる脳の損傷。
母のこと
高次脳機能障害という障がいを知ったのは
私の母が頭を強く打つ事故に遭い
しばらく意識のないままICUに入院し
一般病棟に移動した際に
人格そのものが全く変わってしまった、
という経験からでした。
私が交通事故に遭った時も頭を強くうち
意識が戻るまでは脳挫傷による
外傷性くも膜下出血の疑いがあり
この障がいを負っていたかも知れません。
友人のこと
失語症を併発することが多く
脳出血で倒れてから
歌うことで言葉を回復する手立てを見出し
今では失語症の方達の歌のコンテストを行なったり
コミュニティを作ったりして
失意を希望に変えた友人のことを
以前ここで紹介しました。
高次脳機能障害と半身不随を患いながら
遠く隣の県から杖をついて電車を乗り継ぎ
事務所に遊びに来てくれるのは本当に嬉しく
勇気や希望をくれます。
見た目ではなかなか理解されないこの障がいの啓発活動も
熱心にされています。
著名人では
著名人の中で有名なのが
音楽ユニットglobeのボーカルだったKEIKOさん。
くも膜下出血で倒れ高次脳機能障害を負いましたが
現在ではかなりの回復をし
歌手として復帰されているようです。
どんな生活に?
この障がいは外見では全くわからない。
だからあまり知られておらず
社会的な理解が進まず人知れず苦しんでいる人が多いのです。
話は戻りますが、母の場合も
昔、仕立て屋をしていたほど手仕事が見事で
ミシンを踏めばスーツでもドレスでも
どんな依頼もこなしていたほど。
しかし
退院して落ち着き
孫にレッスンバッグを作るのだと言って
ミシンに向かった時のその様子は
今思い出しても涙が出ます。
全く使い方を忘れてしまっているばかりでなく
何度一緒にやっても覚えられない。
料理をすれば味は以前と全く違うし
食洗機のスイッチ一つもわからない。
「なんで何もかもできなくなってしまうんだろう」
と涙ぐむ母の前でかける言葉がなかなか見つかりませんでした。
母の場合年齢的なこともあり
回復の兆しのないまま認知症に移行してしまいましたが
この障害は進行性でなく症状が改善されるのが普通です。
子どもの高次脳機能障害
さてテーマは子どもの高次脳機能障害。
肢体不自由特別支援学校にも在籍していて
対応はかなり難しいと聞きます。
時間的な見通しがつきにくいことや
記憶力に問題が生じていることが原因で
何度も同じことを聞いたりしつこくしたり
また、
脳への何らかの刺激により
本人の意図とは関係なくキレてしまって
周りの子どもが教室に居ずらさを感じてしまったり。
🌿 🌿 🌿 🌿 🌿
子どもの高次脳機能障害への社会の無知、無理解により
苦しむ子どもや家族がたくさんいることが話題になったのは
先月行われた団体の拠点、東京都杉並区のNPO交流会で。
モナミセブンという
子どもの高次脳機能障害の啓発活動や相談事業を行なっている
NPOの代表との対話は
いかに高次脳機能障害の子どもたちが苦しんでいるか、
ということを上記の特別支援学校の生徒の例と重ね合わせながら
想像するに余りある当事者と当事者家族の
生きづらさを感じさせました。
さらにその後時間を置かず
事務所に来てくださり、二人して熱く語りあったのは
豊かな学びと共感の時間でした。
NPO法人モナミセブン 相談窓口 080-8027-2237
「可逆性」という回復力を信じて
傷ついた脳の神経は元に戻らないけれど
発達の余地がたっぷりある子どもです。
進行性ではないのでそれ以上悪くなることはなく
損傷の部位や程度により違いはあるものの
回復力はある、と断言できます。
周りの大人や友達の思いやりや心遣い
社会の合理的配慮如何で
それを叶えることができます。
私たちはどう生きるか
高次脳機能障害を含め、
世の中にはさまざまな障がいや生きづらさがあり
内部障害も含め、見た目には全くわからないものも
たくさんあることをまず知ること、
そして
自分のぐるりからその存在に気づき理解し
社会が、人間が
どう変わっていくべきなのかを考えることは
思いやりある社会を目指すために
一人ひとりがまずできることなのではないでしょうか。
不自由なく生きる者のこころに
困難と向き合い生きる方達を敬う気持ちが当たり前に存在したら
どんなに優しい社会になるでしょう。
🌿 🌿 🌿 🌿 🌿
高次脳機能障害について以前読んだ本を紹介します。
この障がいの苦しみにあきらめずに向き合う医師の著書です。
「壊れた脳 生存する知」山田 規畝子 著
アートで人は元気になれる
アートが好き、アートで人は元気になれると共感してくださる方、
「SHJ子どもとアート研究会」で一緒に子どもたちを応援しませんか。
*まずは代表著書「夢中になれる小児病棟」を読んでみる
*****
SHJを応援しませんか?
例えば月1〜2杯のコーヒーを子どもの笑顔に変えませんか?月500円からのマンスリーサポーターを募集しています。いただいたご支援は、アーティスト謝金、交通費、抗体検査、そしてアート&学びサポートセンター運営費に有効に活用させていただきます!マンスリーサポーター申し込み
Smiling Hospital Japan Official Website
Smiling Hospital Japan Facebook
事務所/SHJアート&学びサポートセンターへ、
ぜひ足をお運びください!
東京都杉並区永福4-1-9 1-B (京王井の頭線「永福町駅」下車徒歩1分!)
オープン 月 火 木 金 10:30~17:00 土日 不定期