病棟の”誰でもピアノ”
”こども医療センター新生児病棟に入院中の赤ちゃん達にご家族でもこども医療センタースタッフでも誰がピアノを弾いてもいい #Nピアノ の時間”
という取り組みをする病院の様子が
流れてきました。
動画がリンクされていて
そこには
ユニフォームを着た医療スタッフが
ジブリの人気曲を弾いている姿がありました。
赤ちゃんとお母さん、そして
動画を撮っているスタッフの姿も。
その中で赤ちゃんのケアをする看護師さんの
穏やかな表情も確かに写っていました。
この取り組み、とってもいいな、
どこの病院でも取り入れたらいいのに、
と思うのです。
というのも、
私たちの活動で何度かあった
医師がアーティストに変身する場面と重なったからです。
医師がアーティストに変身する！
SHJのピアニストが活動する日は
セッションを提案してくれる医師たちがいます。
ピアノ伴奏で医師自らフルートやバイオリン演奏を
披露してくれるのです。
「え？ お医者さんがバイオリンを？」
「いつも怖い顔をしているお医者さんがフルートを吹くの？？」
「すごい！」
子どもたちや親御さんたちの反応です。
主治医の医療者でない別の顔を見ることで
心の緊張がほぐれるかもしれません。
医師自身にとっても、患者さんの前で得意な演奏
を披露できるのは
厳しい治療の合間に得られる至福の時なのだと
話してくれました。
医療に向き合う時とは違った
穏やかな気持ちになる、と。
また、普段と違う顔を患者さんに見せることで
話題作りやより近い関係作りができるとも。
場における立場を離れる、ということ
私たちスマイリングホスピタルジャパンは
子どもたちに患者という立場を離れ
”自分”に戻ってほしいと願い、
アートを媒介とすればそれが実現できる、
と信じて活動していますが、
医療者自身も
医者という「社会的立場」の枠を飛び越え
アートを通して「素の自分」に戻ることが
可能なのです。
業務を傍に置いて自分らしい姿を見せることで
患者さんとの距離がグッと縮まることは
容易に想像できます。
アートの力
アートは
病院という場にある
患者と医療者という見えない垣根を取り払う力が
あると言えます。
その結果、
それぞれが社会的立場を超え
自分らしくいられる時間ができるのです。
そこはもう
病気を治すためだけの場所、ではなく
それぞれが自分自身を生きる空間に変わるのではないかな。
立場を「行き来」できる空気があれば
いろんな職種、立場が混在する病棟という場で
それぞれが自分らしく生き
自分たちらしく交流することができることで
「医療現場」という概念を突破できる
そんな風に思っています。
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アートを通して立場を越え
自分らしくいられることについては
当ブログ「立場を行き来する、ということ〜アートを通して〜」
にも綴っています。
→http://ellie.smilinghpj.org/?p=6966
また、2021年に上梓した
「夢中になれる小児病棟」でも綴っています。
（→第４章 P.121 大人が変わるー「え？お医者さんがバイオリンやフルートを？」）
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