今日、休校が長かった東京や近郊の学校も休校が解除された。
それに先駆け、昨日の新聞には
学校再開に際し、各国で対応に苦慮している、と書かれていた。
まだ第2波、第3波と懸念される中、
現場では衛生、感染への対策に加え
休校により受けた学習の空白への対応に
引き続き追われる毎日だろう。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)によると、新型コロナウイルスの影響で
世界全体のおよそ90%の子どもたちが、学校に通えない状況が
少なくとも5月いっぱい続いたそうだ。
休校による学習の空白への日本の対応については
前回と前々回綴った。
海外では?という疑問が湧き調べてみようと
締めくくったものだ。
日本の教育現場はオンライン化が大幅に遅れている
ということは有名な話。
さぞや諸外国、ICTの盛んな活用により
一旦の学習の遅れもカバーできている国や
日本のようなガチガチの教育課程を取らない国も多いことから
その事情はずいぶん違うだろうと想像していた。
オランダは
子どもの共生心を養う「イエナプラン」が盛ん。
→2019/7/8投稿〜教室はリビングルーム「イエナプラン」〜
子ども1人ひとりの能力や資質、本人の希望や理解度によって
様々な学業や内容が選択ができ
時間割も自分で決める。
オランダの小学校の大半はデジタル化が進んでいて、
地域的な差はありながらも通常の授業にiPadなどを導入し、
様々な教材アプリを利用して授業をおこなっている。
5/11に学校が再開されたが
休校中は自宅学習で教材アプリを使用したそうだ。
ひとつの家庭に子供が複数いる場合には貸し出しもあり。
休校2日目にして
学校は各家庭に学習への対応についてわかりやすく連絡をし
3日目には教材とスケジュールを渡し
といった迅速ぶり。
その後は生徒と教師がチャットなどで密に連絡を取り合ったのだそう。
グローリア オランダ子育て事情を読んでみた。
オランダ、あっぱれ!という感じだ。
すでに14日に登校を再開しているフィンランドではどうだったのだろう。
フィンランドの教育についてはずいぶん前に綴った。
→2017/7/12投稿〜フィンランドの教育〜
日本のような全国一斉テストはなく、
学生同士での競争が少ないのが特徴だ。
教育ICT活用の先進国フィンランドは
すでにすべての学校において生徒1人1台のノートパソコンかタブレットのデバイスが普及していて、
学校内のWi-Fiも完備されるという普及度。
しかし通常の授業でICT活用はしていた中で、
小中学校における遠隔での授業はなかったため
先生たちそれぞれが工夫を強いられ苦労していたとエドテックジンというサイトで読んだ。
かたや
インターネット普及率の低い国ではどうだろう。
ニュージーランドは
インターネットに接続していない家庭が多く
政府が行ったのは、ネット回線の整備や端末の無料配布
そして教育に対して初めての緊急予算を投じ、
新学期の開始に合わせて、教育関連の番組の放送も始めた。
平日の午前9時から午後3時まで放送。
算数や理科、体育や音楽などを学習する内容が放送されている。
コロナ禍を利用して一気に教育への予算組みに開眼したと言えそうだ。
ところで
フィリピンではオンライン授業をやめて!と学生が政府に要望書を出しているそう。
その理由は、半数以上の学生が自宅での安定したインターネット環境がなく
ネットカフェも閉鎖してしまいインターネットどころか学びにアクセスできないという。
さて
4月9日から新学期が始まった韓国は初めての試みとして
すべてオンライン授業。
さすが20年以上前から情報通信技術を使った教育(ICT)の研究を進めてきただけある。
デジタルコンテンツを提供する専門の機関があり
公共放送が教育番組を製作してきた。
10の専用スタジオを整備し
チャット機能を配した双方向の授業が行われている。
そうは言っても
オンライン授業が当たり前に見える国でも
接続のトラブルが避けられないのはどこも課題のようだ。
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それにしても格差を感じる。
同じ国においても「オンライン授業」という課題を真ん中に置くと
国内の格差も浮き彫りにならざるを得なかっただろう。
国内、国内外の格差や不平等が浮き彫りになったように感じる。
家庭ごとに教育への熱意の違いにより教育格差が広がったり
先生に裁量が与えらえている国ほど
先生によってオンライン授業に対する積極性や熱心さに差があったり。
一筋縄ではいかない。
世界が同じ1つの敵に向かって闘うことになったコロナ禍。
だからこそ格差が露骨に現れてくるのか。
命の犠牲が多くの貧困地帯に偏ってしまう医療格差も顕著だ。
本当のグローバリゼーションってなんだろう。