医療者でもないのに
生意気なタイトルを
つけてしまいました。
ある医師の医療への姿勢に感動して
ご著書名をタイトルにさせていただいた次第です。
いのちの声を聴く
私たちの体の内部では
多様な音の風景が展開して、
協奏曲や交響詩が
奏でられているんですよ
医師 方波見（かたばみ）康雄
🌿 🌿 🌿 🌿 🌿
「『いのちの声』に耳を傾ける」
というインタビュー記事をきっかけに
方波見医師の医療への思いに傾倒し
3回にわたってブログに綴りました。
「医療とは何か」方波見康雄著
北海道で地域医療に長年携わってきた
方波見医師は今年97歳。
医療の本質は
「いのちの声」を聴くことだ
というご自身の医療に対する理念を
「医療とは何か」（藤原書店）に
まとめられました。
さっそく購入。
医師、看護師、薬剤師、
療法士、介護士・・・
医療関係者必読のバイブル、
と紹介されていて
そのどこにも当てはまらないけど
小児医療現場での活動を
ライフワークとしている身として
読まずにいられなくなりました。
450ページ近い分厚さですから
持ち歩いて電車内で読む、
というわけにはいかないので
自宅の仕事机の上に置いて
少しずつ少しずつ読み進めています。
主に
北海道新聞に連載された
「いのちのメッセージ」
が出典です。
いわば診療日記のようなもので
町医者として関わる隣人たちのこと
地域医療への思い
認知症の方のこと
小児のこと
そして遺志を受け継いだ父親のこと
・・・
さまざまな風景の短編集
といった感じです。
胃はひとりで歩かない
まず序章で感動しました。
そのくだりを抜粋します。
「胃が悪いからといって
胃がひとりで歩いて診療に来るわけではない。
不安と恐れ、将来への危惧、
家族などへの責任などを抱いている
一人の人間の中に、
病む臓器としての胃が収まっているのである」
”全人医療”
とはよく言いますが、
方波見医師は、それをとてもわかりやすく
しかもユーモラスなメタファーで
医療への確固たる姿勢を表現しています。
町医者の入口には
「まるごとの人間」が存在するのだと。
地域医療を
自らの医者としての在り方と定めて数十年、
胃だけを診るのではなく
つまり
特定の臓器、
患者の訴えだけを対象にするのではない
アンチ対症療法の方、
と勝手に捉えています。
縦横に支え合う
病いを診るのではなく
文字通り
「まるごとの人間」を敬い寄り添い
治癒後も”その人”の生に寄り添う方。
その証が、前々回紹介した
開放型病床の制度を広めることへの
尽力だと思います。
開放型病床＝
患者のかかりつけ医と転院先の医師が、
共同して患者さんの治療を行える病床のこと
🌿 🌿 🌿
医療を受ける側
医療を施す側
縦横に支えあってこそ
医療の本領が発揮されるのではないでしょうか。
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